海苔主要メーカーによる価格改定が、6月1日出荷分から一斉に始まる。大幅な規格変更が伴うことも予想されたが、価格のみの改定となった。「資材の調達に数か月を要する中、規格を変更していると値上げ実施が間に合わない」という判断で各社一致したようだ。また数年前に入数減を伴う規格変更を実施したため、「さらなる変更の余地が残されていない」という声も聞かれた。
最大の生産地である佐賀有明の3月3日入札(冷凍網4回)を待って各社とも最終的な検討に入ったが、先んじて発表したのは「ジャバンのり」の永井海苔。7日に取引先への案内をスタートした。約2~3割の棒上げに対して得意先も海苔相場の高騰を了解済みで、交渉はスムーズに進んでいるという。
10日には大森屋が家庭用商品の希望小売価格を約10~30%(平均21%)上げると発表。業務用は主要産地終漁後の4月頃から個別に相談していくという。
ニコニコのり、白子もほぼ内容が固まっており、まもなく詳細が発表される見込み。
一方、松谷海苔も発表に向けて準備を進めているが、そのままの値上げでは1千円台に突入する銘柄が出てくることなどから一部商品の規格変更を伴う改定となる模様。髙岡屋は独自の動きを見せ、2月17日に2~3割前後アップする新価格を発表し、今月16日注文分からの実施としている。
海苔業界は、電気代や資材、運賃など各種コストの高騰に利益を圧迫されながらも、昨年は値上げを実施せずに耐えてきた。それらのコスト増加分も勘案した上で、各社なんとか黒字に持っていけるよう、今回の値上げ幅を設定したものとみられる。