加工肉の原料が主のシーズンドポーク輸入貿易統計の海上運賃等含めた22年CIF価格は、19年比で約1.5倍(日本ハムソーセージ工業協同組合資料参考)と原料肉だけで大きく高騰し、輸入肉は全般に高騰が続く。これにより輸入肉が主の外食産業の国産シフトが進み、国産精肉の高騰に拍車をかけている。
有力スーパーの精肉は牛、豚で6~8割が国産、鶏はほぼ国産という状況下、指定農場自社ブランドなどで差別化を強化するほか、平和堂は精肉に熱量・タンパク質など5つの栄養成分を業界に先駆けて記載している。
一方、畜肉加工品は、ウインナーの7割があらびきに集中して各社の特売が常態化し、購入層も60歳代以上が多く、市場が硬直化していた。業界では新市場の創出に各社注力しており、日本ハムは今春、米国の朝食の定番「リンクス」をイメージした「モーニングサーブ」を再販。昨年のテスト販売では20~40代女性の購買が多く新たな客層を開拓した。
また、おつまみ需要増からハム・ソー需要の裾野が広がり、フレーバーも拡充している。
畜肉加工業界は23年春も価格改定を行うが、家庭用の市場規模はコロナ前よりも拡大しており様々な施策で業界の活性化を図っていく。