ここまで進んだIT

訪日旅行客の人気スポットに居を構えている。往時は自宅を出ると、ひと、ひと、ひとで、通行人の半数以上が外国人だった。商店街だけに欧米の旅行客は地元では不人気で、モノ消費が旺盛な、中国などアジアからの旅行客は歓迎された。

▼今回の春節特需は日本の水際対策もありインバウンド効果が限定的のようだが、「観光はするが土産を買わない。食事はコンビニで済まし呑みに来てもビール一杯で何時間も粘る」と不評だった欧米人旅行者も、ここにきて購買意欲が活発だ。

▼先日地元で一杯やっていたら訪日旅行者が入ってきた。地域密着タイプの、日本人でさえ入店を躊躇するような店構えだが、件の旅行者は全く意に介していない。

▼傍目で眺めていたら、漢字満載の手書きのメニュー表はグーグルカメラを活用して料理内容を把握してスムーズに注文。横文字を一切喋らない店主も自動翻訳機で注文を受け付けて調理を始めた。コロナ禍で海外からの往来が激減し気づかなかったが、IT技術はかように着実に進化し普及していたらしい。まるで浦島太郎の気分だった。