キリン独自素材「プラズマ乳酸菌」を日本コカ・コーラに提供 飲料で競合の恐れあるキリンビバレッジ 吉村透留社長が胸中語る

 キリンビバレッジの吉村透留社長は12月取材に応じ、キリンホールディングスがキリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を日本コカ・コーラに提供することに合意したことについて「飲料ということになると現場では競合になるが、それは一定程度仕方がなく、健全な競争をしていくことになると思う」と語った。

 「プラズマ乳酸菌」の認知拡大や消費者との接点拡大がキリングループの狙い。

 キリングループでは、2027年に国内外での「プラズマ乳酸菌」の菌体販売額で35億円、最終商品価格で500億円相当の市場創造を目標に掲げる。
 
 この方針の下、外部パートナー企業との連携を強化している。
 外部パートナー企業は、カンロ・森永製菓・日本薬健・オリヒロプランデュの4社に加えて、この秋に、新たに大正製薬と常盤薬品工業の製薬会社2社との連携を開始した。

 この動きに加えて、日本コカ・コーラにも提供するほか、非・機能性表示食品ではペットの食品・用品を製造・販売するペティオとも連携しペットの健康ケアにも取り組む。

 「キリングループの方針としては、パイが広がれば、我々にも(先行者利益が)返ってくるという考え」という。

 キリンビバレッジは、「iMUSE(イミューズ)」ブランドほか、「午後の紅茶 ミルクティープラス」や「生茶 免疫ケア」の機能性表示食品でプラズマ乳酸菌入り飲料を展開。プラズマ乳酸菌入り飲料1-11月の販売数量は前年同期比約2割増と好調に推移している。

 「我々は既に様々なブランドや商品でプラズマ乳酸菌入り飲料を発売しており、認知は十分とは言えないが、『イミューズ』ブランドなどで“キリンがやっている”ことの認知は広がりつつあるため、先行者としての優位性を発揮でき、発揮していかなければいけない。競合になるというのは与えられた所業であり、競合の動きもみながら優位性を発揮すべく通常の競争の中でいろいろ考えていきたい」との考えを明らかにした。