大手飲料メーカーは10月1日から小型容器を中心に飲料を値上げする。その数は主要メーカーのNB合算で900品目以上に及ぶ。
家計への負担が大きくなることが予想される反面、多くの飲料はこれまでスーパーなどで安売り対象とされてきたことから飲料業界にとっては適正価格化への正念場となる。
店頭小売価格へいかに反映させられるかが課題で、1日から飲料に留まらず幅広いカテゴリーで値上げに踏み切る小売店側の理解と協力が求められる。
一方、小売店では他店との競争の観点から商品全般で一律の値上げにはならないことが予想される。
「我々のマインドとしては何とか値上げを抑えたいと思っていたが、これからはそうではない。何を上げて、何を抑えるか、メリハリをどうつけるかにシフトせざるを得ない」(マルエツ古瀬良多社長)との声も聞かれる。
明るい兆しとしては、業界に先駆け5月1日に大型ペットボトル(PET)の価格改定を実施したコカ・コーラ社商品の事例がある。
これについて、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスのビヨン・イヴァル・ウルゲネス副社長CFOは8月12日の決算説明会で「計画通り進捗しており、スーパー、ドラッグストアの量販店チャネルでは価格改定効果でケース当たり納価はQ2(4-6月)に52円改善した」と語り、店頭小売価格も出荷価格改定に連動して上昇したとした。
今回、各社で主に値上げ対象とするのは生産量の6割強を占める小型容器となる。
値上げ幅は500ml以下PETなどの一部例外を除き各社とも20円。
10月1日実施の対象品目数は、コカ・コーラボトラーズジャパン約120品、サントリー食品インターナショナル165品、アサヒ飲料163品、キリンビバレッジ127品、伊藤園136品、ポッカサッポロフード&ビバレッジ67品、ダイドードリンコ71品、大塚食品18品、UCC上島珈琲15品。