花王、内臓脂肪をためない生活習慣を提案

 花王は9月、座位行動を減らすことと少しでもたくさん速く歩く習慣を身につけることが内臓脂肪をためないための対策となることを弘前大学COIとの共同研究で明らかにした。

 座位行動とは、デスクワークのように座っていたり、横になっていたりする状態のことで、起きている時間の大半が該当する。

 今回、青森県弘前市岩木地区の住民健診参加者(20~88歳、758人)で、活動量計により座位行動時間を内臓脂肪計により内臓脂肪面積を精密に測定して、両者の関係性を検討した結果、座位行動時間が長いほど内臓脂肪面積が大きいという関係性があることが明らかになった。

 さらに、統計モデルを用いて、座位行動時間を30分減らし、家事などの低強度身体活動時間へと置き換えた場合の内臓脂肪面積への影響を推定したところ、置き換え前よりも2.4平方センチ小さい値が算出された。

 以上の結果から「内臓脂肪をためないためには座っている時間を減らすように心がけることがひとつの対策になると考えられる」(花王)とした。

 次に、歩行習慣の改善が内臓脂肪に与える影響については、各参加者(25~74歳、173名)の歩行に関するデータを測定し、それをもとに歩行速度や身体のバランスなど、より健康的な歩き方になるようにアドバイスを実施。

 その後、3カ月間、活動量計を着用してその歩き方を実践してもらい、活動量計から得られた歩数や日常歩行速度などのモニタリングデータを参加者本人が日々確認できるようにした結果、1 日の歩数および日常歩行速度は有意に増加した。
 また、内臓脂肪面積の平均値は、今回の参加者においては3 カ月間で 5.5平方センチ減少した結果から「歩行習慣を見直すことで、よりたくさん、速く歩くようになり、内臓脂肪も低減することがわかった」と結論づけた。