吉野家×ヤマト運輸 3温度帯物流を一元化 「冷凍牛丼の具」拡大へ

吉野家は、販売好調な「冷凍牛丼の具」など個食用冷凍食品の保管から発送までの業務をヤマト運輸の3温度帯物流ネットワークに一元化し、オペレーションの効率化と出荷キャパシティの拡大を図る。12日、両社の間で吉野家の直販・卸向け外販事業における流通スキーム再構築に向けた合意書を締結した。

吉野家は1993年から卸向けに外販事業を開始し、2013年から公式通販ショップを展開、主力商品「冷凍牛丼の具」など全79品を販売している。近年はコロナ禍に伴う中食需要の高まりを背景に、21年度の外販事業売上高は18年度比で2倍に拡大した。その間、直販・卸部門ごとに委託業者を選定して物流管理を行ってきたが、作業の負担が増し流通スキームの効率化が大きな課題となっていた。

ヤマト運輸は、全国に多数の拠点と輸配送ネットワークを有し、デジタル情報の可視化も推進。今回の一元化により、多様な吉野家製品のセット組みや賞味期限コントロールなど出荷作業にかかる時間を確保しやすくなる。また物流の効率化で温室効果ガス排出量を削減し、作業の簡略化で食材・資材のロスも削減する。

両社は今後に向けて「流通スキームのさらなる効率化を図り、オーダーからお届けまでのリードタイム短縮や商品ラインアップの拡充につなげたい」としている。