サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)が9日からリニューアルオープンし、一般公開を開始した。同ワイナリーでは1909年の開園から100年以上にわたり、ぶどう栽培とワイン造りを行ってきた。サントリーでは日本ワイン戦略の一つとして、より多くの人に日本ワインの魅力を伝えるべく「ぶどう畑を起点とした顧客接点の強化」を掲げ、6日には新ブランド「サントリー フロム・ファーム」を発売。自然の恵みとワインのおいしさを体験できる登美の丘ワイナリーを起点に、同社のものづくりを発信。日本ワインの本質的な価値を伝える。
南に富士山を仰ぎ、眼下に甲府盆地を望む同園。大自然の恵みである「水」、ぶどうを育むテロワールを意味する「土」、そしてワインを造る「人」を意味する「水と、土と、人と」をテーマに5億円を投資してリニューアルを実施。
8日の開園セレモニーで、サントリー・ワインカンパニーの吉雄敬子社長は「木を植えるところから愛情を込めてぶどうを育て、丁寧にワインを造る積み重ねが日本ワイン。しかし、ややもするとお客様は最終製品だけしか見ることがなく、私たちのワインの素晴らしさをなかなか感じていただけない。分散していた日本ワインのブランドを、今回新たに『フロム・ファーム』というブランドに集約した。私たちは畑から作っているんだということをお伝えするためのブランドだ」とアピールした。
今回のリニューアルでは、大自然を堪能しながら思い思いの時間を過ごし、ものづくりへの思いを感じられる「大自然堪能型ワインテラス」として、雄大な光景に囲まれた「富士見テラス」を開設。ワインショップ刷新や熟成庫の空間演出を行い、来園者向けワイナリーツアーも内容を充実させた。23年の年間来場者数は、19年比約3倍の8万人を目標に掲げる。