アイス 早い梅雨明けも 最需期に向け備蓄十分

気象庁はこのほど、関東甲信越地方が梅雨明けしたとみられると発表した。6月の梅雨明けは18年以来4年ぶり、期間は3週間と統計史上最短での夏到来となった。ここ数年天候不順の影響で7~8月の天気が読みにくくなっているが、アイスメーカー各社は夏の猛暑に向けて欠品が出ないよう十分な備蓄量を確保している。

天候要因に大きく影響されるアイスクリーム業界では、先週1週間の暑さで氷菓系商品が一気に伸び、月末の3~4日間で「ガリガリ君 ソーダ」は2倍、「BOXあずきバー」も34%増と大きく伸長した。早い梅雨明けで今後の供給不足も懸念されるが、各社とも最需期に向けた十分な在庫量を用意していることや、今週に入っての台風の影響から「6月下旬の猛暑日連続の影響はない」としている。赤城乳業では早い梅雨明けを考慮して、5月に7月分の計画を見直し生産体制を強化したという。

一方、ここ数年の気候変動から7~8月の天候不順を不安視する声は多い。「今年は8月も猛暑になるという話だが、在庫不足はもちろん在庫過多も問題。気候変動で夏のアイスはギャンブル的要素が高くなってきた」(森永製菓)や「ここ数年、7~8月の気温が全く読めない。想定よりも暑くなったときにはひたすら生産数と出荷数のギャップを調整する作業になるし、仮に天候が読めたとしても在庫量や生産キャパには限度がある」(森永乳業)という。