人手不足深刻化、進む業界再編

「18年度は東名阪は増収だったが、それ以外の支店は前年に届かなかった。人口減少の影響が出ていると感じる」とNBの営業マンは振り返る。地方では営業努力だけではカバーできない厳しい現実があったようだ。

▼メーカーの直販顧客の購買動向もここ10年で大きく変わった。食品によっては世帯人数の減少から購入単位が年々小口化。固定客の高齢化・減少も深刻で、売上げ減に歯止めがかからないケースもある。

▼食品工場では外国人技能実習生が主戦力になりつつある。しかし、その場しのぎの安い労働力確保では根本的な問題解決にはならない。地方のある中小メーカーは減収覚悟で一部の受託生産を見直した。人手確保・定着のため生産現場の完全週休2日制を実現するためだ。

▼労働人口が減少する中、「完全にオーバーカンパニー。合従連衡が進み、徐々に適正な企業数になっていくだろう」とある食品スーパー社長。その言葉通り、さまざまな業界で再編が進んでいる。一方で中小企業の人手不足倒産が増えている。すべての業種において単独での存続が難しい時代になっている。