コーヒー農園をテーマにしたコンセプトカフェ「ネスカフェ三宮」(兵庫県神戸市)にコンポストの一種であるキエーロが設置され、同店から排出される抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)や野菜くずを土づくりの資源とし花壇に使用して循環させる資源循環プロジェクトが開始された。
同プロジェクトは神戸市・兵庫県立大学・ネスレ日本の三者連携によるもので、同店での資源循環の可視化やSNSでの発信を通じて、神戸市民がごみの減量・資源化について考えるきっかけにしていくのが目的。
抽出後のコーヒー粉に相当するのは、コーヒーメーカー「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」から排出される使用済み紙製コーヒーポッドとなる。

同コーヒーマシンは、9月に新発売された「ネスカフェ ドルチェ グスト」ブランドの最先端・次世代モデルで、抽出にあたりホームコンポスト可能な紙製コーヒーポッドに対応している。
10月16日、披露目会でネスレ日本飲料事業本部の海老原聡氏は「使用済みの紙製コーヒーポッドは、スタッフの手によりキエーロに投入され土づくりに使われる」と説明する。
同店での体験について、コーポレートアフェアーズ統括部の鷲谷僚子氏は「キエーロを市民の目に触れる場所に置いて資源循環を見ていただくことができる。本来ならゴミとして捨てられてしまうものが資源になるという実感を街の真ん中で体験できる」と語る。
ネスレ日本は2019年から兵庫県立大のゼミナールをサポート。
兵庫県立大のゼミナールでは、神戸市とネスレがサポートしながら、使用済み紙製コーヒーポッドや抽出後のコーヒー、学食残渣を使ってキエーロでよりよい土づくりを研究する。
今後、若い世代に資源循環に対する興味を喚起するコミュニケーションも検討する。

兵庫県立大国際商経学部の森谷義哉准教授は「学びは教室を出たとき、はじめて現実の力になる」と期待を寄せる。
神戸市環境局の柏木和馬局長も「キエーロは中身を入れ替えることなく繰り返し使うこともできる。地域と大学、企業の連携が新しい循環の芽を育てていく」と期待感を示す。












