ごはんを手軽においしく コメ高騰で再評価進むふりかけ 経済性に支持高まる

物価高にともなう節約志向の高まりを背景に、ふりかけへの関心が高まっている。市場は前年比2~3%の拡大傾向を維持する。コメ価格が高騰し高止まりするなか、ごはんを手軽においしく食べられるカテゴリーとして再評価が進んでいる。メーカー各社はこの秋冬シーズンも商品提案を強化する。市場は引き続き拡大傾向で推移するとみられる。

ふりかけも原材料高などのコスト高に直面している。メーカー各社は順次、価格改定や容量変更を実施。現在も値上げの動きが続いている。しかし、そのほかのコメ関連カテゴリーに比べ安価で手に取りやすいカテゴリーの地位を保持する。節約志向が高まる中でも、この経済性の高さ、手軽さは大きな魅力だ。

魅力は手軽さだけではない。メーカー各社は随時、主力商品を含む既存商品の改良、また新商品の投入を通じ、風味や食感を含むおいしさの向上、さらに商品によっては満足感の向上を図っている。ごはんに合うおいしさ、食事としての満足感の高さも魅力の一つだ。

節約志向が高まり、さらにコメ価格が高騰する中で、カテゴリーの魅力や価値が再評価され、需要や市場の底上げが進んでいるとみられる。増加するコスト、高止まりするコメ価格は懸念材料になる。

だが、節約志向がさらに高まる中、この魅力や価値を武器に、需要や市場の底上げが進んでいくと考えられる。

メーカー各社も引き続き商品施策を中心に積極的な施策に取り組んでいる。主力商品や育成商品を強化する動き、新商品を投入する動きも活発だ。

丸美屋食品工業は発売65周年を迎えた「のりたま」の提案を強化。この春に続きこの秋も「のりたま」を冠した期間限定商品を投入した。

永谷園はこの秋、「おとなのふりかけ」を刷新した。新商品の投入や既存商品の品質改良、パッケージデザイン、入数や価格の変更も実施した。

三島食品「ゆかり」、丸美屋食品「混ぜ込みわかめ」などを含め、上位メーカーの主力商品動向が最大の焦点だ。

はごろもフーズは「のり弁慶ふりかけ」に続き「ぶし若丸ふりかけ」を投入した。「のり弁慶」「ぶし若丸」を同時に訴求するCMを投下中だ。

三島食品「まいにち五穀」をはじめ、新シリーズを投入する動き、さらに単品の新商品を投入する動きも多い。育成商品や新商品の動向も焦点の一つだ。