「亀田の柿の種」ビールに合うおつまみから領域拡大 「うましお」でおやつ需要を獲得 髙木社長COOがブランド磨きに自信

 亀田製菓は2024年3月に発売開始した「亀田の柿の種 うましお」(以下、うましお)が起爆剤となり「亀田の柿の種」ブランドで大票田であるビールに合うおつまみ需要以外に、おやつ需要も獲得して領域を拡大している。

 この勢いを加速させるべく、10月10日の「亀田の柿の種の日」には各所で「うましお」のサンプリングを実施した。

 この日、東京駅一番街地下1階ののぞみ広場(東京都千代田区)でサンプリングに参加した髙木政紀社長COOは取材に応じ「ブランドを磨き続けばどんどん横に広げられるという自負がある。我々はこのようにして体質を強くしてお客様とともに価値創出を図り、新しいストーリーも提供できている」と自信をのぞかせる。

 「うましお」は「亀田の柿の種」にガーリックやネギをきかせた“特製旨みブレンドオイル”を追いがけすることでピリッとした辛さは抑えながらもパンチのある味わいに仕上げたもの。

「亀田の柿の種 うましお」
「亀田の柿の種 うましお」

 「うましお」を担当する橘田奈津美国内米菓マーケティング部米菓スナック第1グループアシスタントマネージャーは「『亀田の柿の種』は今までおつまみとして圧倒的に売れていたが、昨今、お酒を飲まない方が非常に増えているほか、お酒を飲まなくても楽しめるような文化に変わってきていることから、おつまみ以外にお子様でも楽しめるもとして開発した」と振り返る。

 販売は上々で「物凄く売れている」と胸を張る。

 おやつ需要を獲得しているほか、おつまみ需要においても「亀田の柿の種」では取り切れないニーズに対応しているという。

左から髙木社長COOと橘田氏
左から髙木社長COOと橘田氏

 「『亀田の柿の種』はビールとともに食べられる方が圧倒的に多いのに対して『うましお』はレモンサワーとの喫食者が圧倒的に多く、30・40代の方がスナック感覚で食べられている」と説明する。

 サンプリングは、「亀田の柿の種」におつまみのイメージを持つ生活者におやつのイメージを訴求してトライアルを獲得していくことを目的に実施。
 のぞみ広場では「うましお」の試食品(小袋)1万袋を配布した。

 10月1日から放映している賀来賢人さん出演の新CMでもおやつでの喫食を訴求している。

 商品面では、「うましお」に加えて、9月8日に発売開始した「亀田の柿の種 ピーナッツなし うましお」と9月29日から10月末まで期間限定発売している「亀田の柿の種 ダブルコンソメ」でおやつ需要に対応。

 「『ピーナッツなし うましお』はピーナッツが少し苦手な方や、ピーナッツなしのほうがスナックのように袋から口に流して食べられるという方に向けて開発した。『ダブルコンソメ』は発売後一週間のデータを見るとスナックを食べて下さっている方が非常に多く購入して下さっている」と語る。

「亀田の柿の種 ダブルコンソメ」
「亀田の柿の種 ダブルコンソメ」

 「亀田の柿の種」は来年、発売60周年の節目を迎える。

 髙木社長COOは「亀田製菓の商品というよりも国民のお菓子に育てていただいた。これから70年、100年と続く商品になれるように国民の皆様と一緒に盛り上げていきたい。橘田を含む社員が自律的に思考を凝らし、商品だけでなく、どのようにお客様にストーリーをお届けするのかを深く考えており、私はそれを後押しするだけ」と述べる。

自律的に思考を凝らす社員
自律的に思考を凝らす社員