ヤグチの萩原啓太郎会長兼社長は、来期に向けて売上高1000億円達成を目指す方針を明らかにした。9月5日に東京都内でメーカー各社のトップらを招き、「ヤグチ仕入先の集い」を開催。創業80周年への感謝と今後の方針・施策を共有した。
同社の前5月期(74期)業績は、売上高912億円、前年比5%増で着地。事業別売上高は、食品573億円(4.1%増)、冷食339億円(6.2%増)。エリア別構成比は、関東58.2%、中部16.5%、関西・四国10.8%、北日本9.7%、九州・中国4.8%。
前期の倉出し売上高は135億円。直近2年間で35億円増、全社売上高に占める構成比は14.8%に上昇。物流問題に伴うメーカーの配送条件見直しへの対応や、手売りによるNB商品の拡販、市場トレンドを踏まえた提案強化など、「各エリアの自社倉庫を活用した取り組みを強化し、倉出し比率の構成比20%、30%を目指していく」(萩原社長)と語った。
今期も8月まで売上高4%強のプラスと順調に推移。9月15日に創業80周年の節目を迎えるにあたり、萩原社長は「あらためて感謝を申し上げるとともに、一つの通過点として来期の売上高1000億円を達成し、仕入先・得意先さまの売上・利益の拡大に貢献していく」と決意を示した。
今期(75期)の販売施策では、「特定カテゴリーの供給不安」「外食業態の変化」「人手不足」の課題に対応した取り組みを推進する。
「特定カテゴリーの供給不安」では輸入品や素材品の取り扱いを強化。気候変動や地政学リスクが高まるなかで、農産缶詰や乾物、冷凍素材品の取り扱い産地や調達ルートを拡充し、安定供給確保と代替品の提案、小ロット対応強化につなげる。
「外食業界の変化」では、自社物流を活用した倉入れアイテム強化により、仕入れ先メーカーの物流課題解決と商品拡販を進めるとともに、「万能調味料」シリーズに代表される市場ニーズを捉えたPB商品の開発も強化する。
「人手不足」への対応では、月間8万PVを誇る「食材プロ」を活用した得意先への提案強化や受発注のEDI化など、双方の業務効率化と競争力強化につなげる取り組みへの協力を呼びかけた。