日本パインアップル缶詰協会は6月19日、東京・スクワール麹町で令和7年度の通常総会を開催した。役員の交代では、新会長に米田禎氏(伊藤忠商事食料カンパニー生鮮食品部門農産・水産部長)、理事に石原廣氏(三井物産)、長塩政明氏(カーギルジャパン)、松木義弘氏(明治屋)を選任した。
24年度のパインアップル缶詰輸入量は134万5000函(うちTQ品133万3000函、課税1万3000函)、前年比2%増。エルニーニョによる干ばつやエネルギー価格の上昇、円安の影響で、輸入価格が年平均203円/㎏(前年比15%増)と高値で推移する中、前年並みの輸入量を確保した。
一方、国産(沖縄産)は栽培面積が9年連続で増加した後、23年は減少し、24年度は再び増加したものの、昨年夏の台風6号の影響や高温が続いたことで、原料搬入量は前年並みの1510tにとどまった。また、小玉化で柔らかい実が多かったことで歩留まりが低下。国産パイン缶詰の生産実績は、計画の55%程度にとどまり、過去最低だった前年度並みの1万6000函と厳しい結果となった。こうした中で、令和7年度のパインアップル缶詰関税割当数量は前年から1300t減少の3万5800t(175万函)、抱き合わせ比率は1:62・5で、38社にTQ証明書が発給された。

総会後の懇親会で、米田新会長は「2年連続で沖縄産パインアップル缶詰の生産量が落ち込み、輸入品も天候不順やエネルギーコストの上昇、円安の影響で価格が高騰する厳しい状況にあるが、わが国パインアップル缶詰産業の健全な発展に尽力していきたい」と抱負を語った。
協会では今年度も引き続き、沖縄産パインアップル缶詰の生産振興に取り組むとともに、パインアップル缶詰の消費拡大に向けた普及活動を推進。沖縄県産パインアップル缶詰を使用した料理シリーズ缶詰やパウチ等の開発も進める。
