韓国ラーメンの新定番へ 辛さ選べる「メップ」登場 ブルダックに次ぐ柱に育成

韓国発「ブルダック炒め麺」がヒット中の三養ジャパンは、「メラメラ」「ヒリヒリ」など多様な辛さが楽しめる汁ありラーメンの新ブランド「MEP(メップ)」を日本で4月から販売開始した。

第1弾は「黒胡椒牛肉味ラーメン」と「にんにく貝味ラーメン」の2品。まずは約1か月で20万食を出荷する上々のスタートを切った。

メインターゲットは韓国の食やエンタメに関心が高い20~30代の若年層。拡大傾向にある辛いラーメンの市場で次世代の主役を目指す。

■日常のストレスを吹っ飛ばす

「メップ」は23年8月に韓国の三養食品がグローバルに向けて立ち上げた新ブランド。同国を皮切りに、アメリカ、中国、タイ、マレーシア、日本で販売を順次開始した。「メップ」は韓国語で「辛い」や「魅力的」「かっこいい」などの意味を含むという。

開発の背景について、日本法人・三養ジャパンの洪範準(ホン・ボムジュン)社長は「近年『ブルダック炒め麺』が急成長して主力品に育ったが、インスタントラーメン市場でボリュームが大きいのはやはり汁あり麺だ。当社は韓国初の即席麺『三養ラーメン』(1963年発売)などをラインアップするが、次世代にもアピールできる新ブランドが必要だった」と話す。

先行した韓国では「メップ」で定番3フレーバーを袋麺、BIGカップ麺、タテ型カップ麺で展開。季節限定品や映画とのコラボ商品も発売し話題になった。市場にはロングセラーの競合がひしめくが、汁あり麺の新商品ではトップクラスの売れ行きをみせている。

アメリカで「レッドペッパーチキン」(6月予定)、中国で「牛肉ユッケジャン」(同)、タイとマレーシアで「麻辣ちゃんぽん」(発売中)など各国限定のフレーバーを商品化していることもポイント。

三養ジャパンの洪範準(ホン・ボムジュン)社長
三養ジャパンの洪範準(ホン・ボムジュン)社長

「基本的な商品戦略は『ブルダック炒め麺』と同様。地域のし好やニーズに合わせて味わい、量目などをカスタマイズしている」(洪社長)。

日本向けのフレーバーは韓国で人気の2品とした。「黒胡椒牛肉味ラーメン」(110g)は牛肉の旨みをベースに、黒胡椒の辛さ、唐辛子のピリ辛さを加えた。「にんにく貝味ラーメン」(110g)は、あさり、海老など海鮮風の旨みとにんにく特有のコクも楽しめる。価格は158円(税別)。

パッケージには「メラメラ」「ピリ辛さ」「唐辛子の風味」「ヒリヒリ」「胡椒の辛さ」と5つの独自指標で辛さを表現した「メップタゴン」を掲載。ただ辛いだけでなく、その種類や強さを好みで楽しめるようにした。

同社によると、韓国ではストレスが溜まった時や二日酔いでしんどい時に辛い料理を食べて吹っ飛ばすユニークな食文化があるという。

洪社長は「頑張った自分を解放したい時や少し刺激が欲しい時など、気分をリフレッシュしたい時に『メップ』を思い出して食べていただければ」と期待を寄せる。

今後は「KCON JAPAN 2025」(5月9~11日)を初回にキッチンカーなどを使った試食でアピールしていくほか、SNSを中心に若年層に向けたプロモーションも強化する。

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