値下げで価値も低下?

インドの商社マンと知己を得て東京ビッグサイトで雑談した。インドは今年度GDP成長が7%、来年度は7.2%の成長を見込んでいる。現地では携帯端末普及率がまだ50%に満たないはずだが、EC市場が急激に発展しているとのこと。いまや電子決済はGDPの約9割を占める。彼の地では、携帯端末を所有する人が裕福な生活レベルであると推察できる。

▼彼らが端末を通じて購入する商品について聞くと「日本製は食品を含め人気が高く、高価なものほど売れる」のだそうだ。聞いていてちょっと嬉しい。

▼だが、と彼は続けた。「日本の食品メーカーも外食産業も少し勘違いしている。国内で消費者の厳しい目に晒されているせいか、安さも訴求したがる。日本の食を食べたいインド人は、安さなど求めていない」。

▼現地ではプライスダウンした結果、売れ行きがとまる輸入食品が少なくない。輸入食品に対する価値観の違いか、それとも民族性なのか分からないが、インドの消費者の消費行動として値下げは価値の低下につながる一面があるようだ。これはちょっと羨ましい。

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