2.3 C
Tokyo
3.4 C
Osaka
2026 / 01 / 02 金曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料コーヒーの2050年問題 貧しい小規模生産者に視線 国際的な研究機関の幹部にアジア初就任したキーコーヒー柴田裕社長が抱負

コーヒーの2050年問題 貧しい小規模生産者に視線 国際的な研究機関の幹部にアジア初就任したキーコーヒー柴田裕社長が抱負

キーコーヒーの柴田裕社長が、コーヒーに関する国際的な研究機関ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)のボードメンバーに就任した。

5月8日、キーコーヒー本社(東京都港区)を訪れたWCRのジェニファー・バーン・ロングCEOが明らかにした。

WCRは、2012年の設立以来、アジア初のボードメンバーとして柴田社長を迎え入れる。
コーヒーの消費国と生産国で長年ビジネスを展開しているキーコーヒーの知見をWCRの運営に色濃く反映させることで、「コーヒーの2050年問題」解決に向けた活動を力強く推進していく。

2050年問題では、全世界のコーヒーの約6割を占める高品質なアラビカコーヒーは気候変動による気温上昇や降雨量の減少などさまざまな影響を受け2050年には栽培適地が15年比で半減すると言われている。

柴田社長は「WCRとの調査研究の中で進めてきたことに一歩踏み込み、世界中で困っている小規模生産者をなんとかして助けていきたい」と抱負を述べる。

ロングCEOも「コーヒー生産は、小規模生産者に頼るところが大きい。特に、最貧国の小規模農家が自立し、持続可能な生産を行い。家族やコミュニティーの発展に寄与するのが我々の大きな目標の1つ」と語る。

WCRの調べによると、世界中で貧困にあえぐ農業従事者は約1億人。うち約1250万人がコーヒー生産者となる。

ロングCEOは、貧困にあえぐ生産者のイノベーションの欠如が2050年問題の解決に立ちはだかる一番の課題だと指摘する。
「品種開発などイノベーションへの投資ができない地域がほとんどで、それらの地域を助けていくのが一番の課題」と説明する。

社会・経済・環境の持続可能性の3つの柱の強化につながる手法を用いて生産されたものであることを意味するレインフォレスト・アライアンス認証といった認証取得が困難な生産者にも目を向ける。

柴田社長は「サステナブル調達は認証が取れているものしか買わないという考え方もあるが、認証が取れず気候変動に負けてコーヒー生産をやめざるをえないところを助けていきたい」との考えを示す。

WCRは、品種改良(育種)や政府機関との連携に取り組んでいる。

コーヒーの品種には、species(スピーシーズ)とvariety(バラエティ)の2つの意味がある。
スピーシーズは、自然の状態で発生した国際自然保護連合(IUCN)に登録されているコーヒーを指し、種類はアラビカ種・カネフォラ種(通称ロブスタ)・リベリカ種など計124品種に上る。

一方、バラエティは、人為的に開発された品種で植物新品種保護国際同盟(UPOV)に登録されたものを指す。
WCRでは現在111品種あるバラエティを2030年までに211品種へと増やしていく。
これにより「新しい品種というオプションが増えることで生産者にとって、その地域にあった利益を上げることができる」とロングCEOは期待を寄せる。

各生産国の政府機関には、コーヒーが外貨獲得の有効な手段であることを引き続き啓発していく。

生産者の自立も促す。
「これまでウガンダの農家にはコーヒーの苗木を無償提供していたが、生産者の努力を促進するため、信用プログラムを策定し3年後には(投じた資金を)回収することで、生産者には苗木を価値あるものと認識していただく。このようなプログラムを各国とともに策定していくのも我々の重要な活動の1つ」と説明する。

関連記事

インタビュー特集

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。