惣菜盛付の全工程をロボ化 現場実装に成功 日本惣菜協会

日本惣菜協会は経済産業省と農林水産省の23年度事業に採択された惣菜盛付の自動化について、世界で初めて全工程のロボット化と現場への実装に成功したと発表した。

23年度に開発した主要なロボットシステムは「惣菜盛付全工程ロボット化統合システム」「CVS(コンビニエンスストア)ベンダー向け高精度惣菜盛付ロボットシステム」「触覚ハンド活用多品種対応弁当盛付ロボットシステム」「高速蓋閉ロボットシステム用清流器」「製品移載、番重移載連動ロボットシステム」。半年間という短期間で開発から現場導入まで実現した。

さらにロボット導入の障壁を下げるためのロボフレ環境の構築に向け、「不定貫ガス置換トップシール惣菜」「デジタルツイン、量子コンピューター用データフォーマットの標準化検討」「ロボフレ標準番重検討」「システム横展開検討」「食品工場におけるロボット導入衛生管理ガイドライン策定」といったテーマにも取り組んだ。

経産省ロボット政策室の石曽根智昭室長は「23年度は機材の開発が進み、ロボットの現場導入がそこまで来たと実感している。この技術が日本全国、世界に広がることで食品分野が競争力のある成長分野になることを期待している」と展望。

農水省食品企業行動室の阿部一郎室長は「食品製造業は小規模事業者の割合が高く、人手不足が深刻だ。従業員1人当たりの年間付加価値額は他の製造業と比べ6割にとどまっている。ロボット化を進める上で経産省とともにしっかりと連携を図る」と意欲をみせた。

日本惣菜協会の清水誠三専務理事は「惣菜製造のロボット化は難易度が高く、なかなか進まないのが現実だった。この取り組みでは経産省、農水省の支援のもと、ロボットメーカー、機械メーカー、システムインテグレーターからお力添えをいただいている。参画する食品製造業も失敗を繰り返しながらも粘り強く調整し、試行錯誤の連続で努力を重ねてきた。惣菜盛付に携わる多くの方々の業務が楽になり、人手不足が解消されることを願う」と話した。

23年度の取り組み参画企業は次の通り。

〈ユーザー企業〉ヒライ、ホームデリカ、デリモ、カネカ食品、ジャンボリア、マックスバリュ東海、トオカツフーズ、ブンセン、日本惣菜協会
〈ベンダー・協力企業〉FAプロダクツ、新エフエイコム、SMC、ナベル、FingerVision、FAMS、安川電機、コネクテッドロボティクス、三機工業、物流クレート標準化協議会、マックスバリュ東海、ローゼック、グルーヴノーツ、エプソン販売、セイコーエプソン、寺岡精工、リスパック

事業に参画したメンバー
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