林原がライフセミナー 「抗老化」テーマに長寿生活を講演

林原は19日、岡山市の山陽新聞社さん太ホールにて、「林原ライフセミナー」を開催した。一般消費者向けに、健康や栄養学など生活に密着した情報を提供する。6回目となる今回は、山田秀和・一般社団法人日本抗加齢学会理事長・近畿大学アンチエイジングセンター教授が登壇。「『老化』も予防と治療が可能になる時代がやってくる!」をテーマに、アンチエイジング医学の最前線や、健康長寿を目指すための生活について話した。会場では、事前公募で集まった250人が聴講した。

山田教授は講演にて、大要次の通り語った。老化とは時間の経過とともに生物が経験する変化の総称。実年齢ではなく、生物学的な年齢で考える「老化時計」で状態を把握する時代がくると考えられている。iPS細胞など基礎研究ではすでにこの時計を若返らせることが可能になってきており、近年急激に研究が進んでいる。将来にWHOが、老化速度を制御する薬の検討を始めることもあるかもしれない。

健康寿命を延ばすためには、この老化速度を遅らせて、老化関連疾患をできるだけ遅く発症させればよいことが分かっている。老化の速度は人によって異なり、遺伝子に加えて生活環境やストレス、栄養状態が臓器の年齢に影響する。実生活では「運動」「栄養」「精神(脳、睡眠、休息)」「環境」の4つの因子が重要であり、適度な運動、食べすぎを抑えて、栄養と睡眠を意識する生活を心がけることが健康寿命増進に大切だ。

また会場ロビーでは、林原と後援の岡山市、明治、タナカ製麺所のブースが設置された。林原ブースでは、機能性表示食品「ファイバリクサ」顆粒、健康食品「爽歩」、OTC医薬品錠剤「ルミンA」を紹介。明治は宅配商品の「メイバランスMICHITAS」などを、タナカ製麺所は林原のトレハロースやファイバリクサを使用した製品を展示。また岡山ふれあい介護予防センターでは、来場者にフレイル健康チェックを実施した。

新社名へ想い伝える

安場直樹社長(林原) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
安場直樹社長(林原)

セミナー開会に先立ち、林原の安場直樹社長があいさつ。4月1日に社名を林原から、「Nagase Viita」に変更することを報告し、新社名への想いについて説明した。

  ◇  ◇

林原は1883年に岡山の地で、でんぷんを麦芽で分解するという昔ながらの製法にて水あめ製造で創業したのが始まり。1935年に水あめを新製法で開発し、工場を拡張。日産1千600缶となり、遠く中国大陸まで知られるようになった。第2次世界大戦で全工場を消失したが、いち早く製造を再開。1950年には日産6千缶(約150t)、日本一の水あめ工場になった。

その後、新しい技術を積極的に導入して、微生物の大量培養、酵素の製造、酵素の利用を通じたバイオテクノロジーに関わりをもつ会社になった。主力製品「トレハロース」は30年の歴史を誇り、いまも多くの製品に使われている。2012年にはNAGASEグループの一員となり、海外展開を推進している。

2023年には創業140周年を迎えた。4月に同グループのナガセケムテックスの酵素事業を統合して、バイオ事業の可能性を広げ、グループ中核メーカーとして飛躍することができた。グループ入りして10年を迎え、ブランディングをより強化するために、林原は社名変更することになった。

林原のブース - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
林原のブース

新社名につく「Viita」は、生命や暮らしを表すラテン語「Vita」に「i」を加えたもの。人と自然が共生する持続可能な未来を皆さまとともに作り上げるという想いを込めた。われわれのパーパス(存在意義)は、「生命に寄り添い、人と地球の幸せを支える」。

創業から常に向き合ってきた生命への想い。それを引き継ぎ、独創的な製品づくりに邁進した社員達のものづくりの想い。存続することを認めてくれた長瀬産業の想い。新社名とパーパスにはそれぞれの想いが凝縮されている。これからも岡山を起点に技術とものづくりの研鑽を重ね、新たな価値を世界に向けて展開する。新たな社名で走り続ける私たちに、変わらぬご支援をお願いしたい。

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