ダイドードリンコは、2027年に創立150周年を迎える東京大学の思いを反映させた自販機の設置を開始した。東京大学の思いとは、創立150周年の節目に向けて、社会全体で歴史を振り返り未来を見据える機運を醸成していくことにある。
150周年記念事業を担当する東京大学の津田敦理事・副学長は4日会見し「東京大学の創立150周年というのはわれわれの大学だけのものではなく日本の社会にとっても非常にメモリアルなこと。近現代史を振り返り未来を見通すというのは日本にとって非常に意味のある行為」と語った。
自販機の正式名称は「東京大学創立150周年記念事業応援型自動販売機」。売上の一部が東京大学に寄付される仕組みになっているが、東京大学の主眼は創立150周年のアピールにある。
同自販機には150周年記念事業のロゴマークなどがラッピングされている。
「寄付は大変有難いお申し出なのだが、一番重要なのは150周年の周知にある。多くの方に150年について考えてもらいたい」という。
同自販機は東京大学本郷キャンパス周辺の東京都文京区内で設置開始。すでに新規と既存ロケーションで6台を設置し今後拡大の構え。
中長期の計画について、ダイドードリンコの中島孝徳社長は「東京大学さまと密にコミュニケーションを取りながら今後の方向性を決めていきたい」と述べる。
ダイドーグループの祖業は、戦後、創業者が個人事業で始めた「おきぐすり」とも呼ばれる配置薬業。その後、配置薬業の考え方で飲料事業に参入。
「スーパーさんや街の酒屋さんに商品を卸して販売していくというのが通常だが、(参入)当時は、薬箱という箱から自販機という箱に変えて商品を拡販していったところが当社のユニークなところ」と説明する。
自販機を強みとする企業として、これまでに社会貢献自販機やDX対応自販機など多彩な自販機を先駆的に展開している。
「事業価値と同時に社会価値、環境価値、この3つの価値を同時に高めていくことが、当社事業のサステナビリティを確かなものにする」との考えを明らかにする。