「国会では質疑も答弁も、最近はチャットGPT頼りですよ」。会合である議員から教えられて驚いた。AI技術の進歩で機械化やルーチン化できる職業がいずれ淘汰される、と云われているのは知っている。作家どころか、専門性が高い医師や弁護士も例外ではないとも。どうやら国会でも同様らしい。
▼慢性的に不足していく労働力を補う手段の一つとしてAI技術が有効なのは理解しているが、職業を失う可能性に加え、人が自ら考える力が失われると危惧する人も少なくないようだ。
▼日々の生活の忙しさに追われながらも、余った時間を携帯やPCを眺めて費やすだけならば、余らせた時間にあまり意味も価値もないような気がする。
▼昨今、食品業界の商品開発では「タイパ」が重要なコンセプトの一つになっている。本来はタイパ食品を活用することによって得た時間を何に使うかが大事なのだけど、「忙しい、忙しい」と云いながら心を亡くすことになりはしないかが心配だ。生き続ける中で何を積んでいくかを考え、実際に行う時間にしたい。自戒を込めてそう感じる。