全日本コーヒー協会 サステナビリティに積極姿勢 賀詞交歓会で萩原会長が意欲

全日本コーヒー協会(全協)は11日、都内で賀詞交歓会を開催し、関係省庁の来賓のほか会員・組合員ら約280人が参集し新年の慶びを分かち合った。

冒頭あいさつした萩原孝治郎会長=写真上=は、1日発生した能登半島地震の犠牲者を悼んだ上で、全協が昨年、資金拠出を行う内容の調印を交わしたICOと国際労働機関(ILO)が実施する「コーヒー生産国の労働安全衛生改善プロジェクト」に触れた。

同プロジェクトは、生産国の労働条件を安全性や衛生面などの観点から底上げしていくもの。萩原会長は「いわゆる『コーヒーの2050年問題』などサステナビリティに対する社会の関心は高く、全日本コーヒー協会としても、関係者と連携し今後もSDGsの課題に積極的に取り組んでいく」と熱意を示した。

来賓あいさつした消費者庁の新井ゆたか長官は、持続的に産業を維持し、その恩恵を受けるためには労働者が適切な給与を受けることが重要だと説明し「適切に価格を転嫁していただきたい」と呼びかけた。

乾杯の音頭を取った柴田裕副会長(キーコーヒー・社長=写真左下)は「コーヒー抽出後に残る粉のことを『コーヒーかす』ではなく『コーヒーグラウンズ』という呼び方にしたところ、ホテルのクリスマスツリーのオーナメントに使用されるなど、各地でアップサイクルも盛んになってきた。コーヒーグラウンズという表現をもっと広めていきたい」と意気込みを語った。

竹内秀樹副会長(味の素AGF・社長=写真右下)は中締めのあいさつで「34年ぶりに日本の株価が3万5千円を超えるなど、昇り龍一言の経済状況となった。われわれ全日本コーヒー協会もこの流れに乗り、価値創造しながら一致団結して活動を充実させたい」と締めくくった。