異常気象を止めるのは

贔屓のりんご農園より今年は蜜入りが良くないからと、事前にことわりがあった。実を樹上熟成する10月に極端に雨が少なく、真夏のような暑い日が続いたことが影響したという。

▼地球温暖化による農産物への影響は、取材でも耳にする機会が増えた。高齢化による労働者不足により作物の生産量が漸減していたところに、異常気象やそれに伴う病害が直撃した。農産品を使う比率が高い加工食品メーカーでは、原料確保がさらに厳しくなり、業者間の争奪戦に拍車がかかっている。

▼そばに使う玄ソバの実は今年、国内の4割を占める北海道の収穫量が前年比6割減となった。収量低下とともに品質のバラツキも大きく、1等級に値するものが少ない。某そばメーカーの幹部曰く、異常気象を異常と感じるのではなく、もはや日常と捉えている。品質維持のためには、配合率をはじめ生産全般を見直す必要があると話す。

▼今年は世界中で異常気象が続き、緩和の緊急性を考えるきっかけになった。気候変動対策の取り組みは企業で活発化しているが、われわれ個人ができることも身近にある。異常を止めてくれるのは、他人ではなく他ならぬ自分だ。

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