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食肉加工業界 持続可能な物流へ取組み 特有の商慣行見直し 業種の枠超え連携も

来年4月に迫る物流の2024年問題。このほど食肉加工大手4社は、持続可能な物流を目指した対策を策定。「SDGsへの貢献と持続可能な物流のための食肉加工業界取組宣言」を1日に発表した。

伊藤ハム米久ホールディングス、日本ハム、プリマハム、丸大食品と日本ハム・ソーセージ工業協同組合が同日の会見で明らかにしたもの。政府が6月に公表した政策パッケージを受けて、ハム・ソー業界が抱える課題を検証。11月21日に自主行動計画を農水省に提出した。背景には、物流に卸業者を介さないハム・ソー業界が持つ特有の商慣行がもたらしてきた弊害がある。

かつて食肉加工品の営業と配送を兼ねるルートセールスが中心の時代、納品先指定場所への棚入れや値付け、箱バラシ、商品陳列といった配送以外の付帯業務が付加的なサービスとして競われてきた。配送専門のドライバーが主流になった現在もこの付帯業務が慣習的に存続しており、ドライバーの負担増や長時間拘束の原因となっている。

さらに納品までわずか1日に設定されたリードタイム、特売品の当日受発注、365日納品などが当然視されているほか、ピース単位での集積・仕分けが求められるために作業時間が延び、リードタイムがさらに圧迫されるといったことも常態化していた。

今後は配送付帯業務や365日納品、ピース納品の見直し、納品リードタイムは2日以上に延長、特売品などの計画発注化といった改善を進めるため、小売側との協議を進める方針だ。

また温度帯が同じ他業種の荷主との連携や物流事業者への積合せ輸送の実施、中継地点での商品在庫の一定保管体制構築など、業界内外での物流共同配送を推進。積載効率の向上を図る。

「冷蔵配送網が整備されていない時代に、業界では各社が配送トラックを保有してお客様に商品を届けてきた。だが必要な機能も時代とともに変わってきている。宣言を通して、三方よし、四方よしの精神で取り組みたい」(伊藤ハム・伊藤功一社長)。

「現行の納品条件ではわれわれの側の改善にも限界がある。お客様にも条件の見直しなどご相談させていただくので、ご協力をいただきたい」(日本ハム・井川伸久社長)。

「少なくともリードタイムは2日以上確保したい。配送も、たとえば2日に1回にできないかなど、流通と相談して理解を得たい」(プリマハム・千葉尚登社長)。

「個社での取り組みには限界があり、全体で最適化を図る必要がある。関連業界とも力を合わせ、枠を超えて輸送力不足を解決したい」(丸大食品・佐藤勇二社長)。

ただ納品条件の見直しに向けた流通との協議は難航も予想され、各社とも数年かけて腰を据えて取り組む。物流課題の解決を通じて、省エネやCO2削減による気候変動対策など社会・環境分野でSDGsへの貢献にもつなげたい考えだ。

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