ニッスイグループ 宇部蒲鉾の事業取得

ニッスイは11月30日、練り製品メーカーの宇部蒲鉾(山口県宇部市)の生産機能と商標をグループ企業のニッスイ北九州が取得することに合意したと発表した。来年3月1日をメドに北九州ニッスイ宇部工場となり、蒲鉾など水産練り製品を生産・販売する準備を進める。宇部蒲鉾の従業員はいったん同社を退職した後、希望者は全員北九州ニッスイが雇用する。

宇部蒲鉾は1941年設立。これまで地元を代表する「宇部かま」ブランドの発展に尽力してきた。しかし近年は水産練り製品の市場縮小、原材料費の高騰などで厳しい経営環境が続いていた。

このほど第三者を通じて宇部蒲鉾からニッスイに生産機能などを譲渡する打診があったという。ニッスイグループでは、新たな生産機能の取得により、既存工場の老朽化対応、稼働の平準化、事業拡大を期待する。また、宇部蒲鉾は「水産食品業界のリーディングカンパニーであるニッスイに事業譲渡することは、従業員の雇用維持、宇部の地域発展のために最善であると判断した」としている。

【宇部蒲鉾の概要】本社所在地=山口県宇部市大字川上697-20▽代表者=谷川惠信社長▽設立=1941年▽資本金=2千万円▽事業内容=かまぼこ・揚物・ちくわなどの水産練り製品の生産・販売▽事業所=本社および工場▽従業員数=105人。

【北九州ニッスイの概要】本社所在地=北九州市戸畑区銀座2-9-9▽代表者=山本宏樹社長▽設立=1991年▽資本金=9千800万円▽株主=ニッスイ100%▽事業内容=魚肉練り製品・冷凍食品の製造▽事業所=第一工場(稼働停止中)、第二工場▽従業員数=129人。