いなげやはこのほど、東京都練馬区で1979年から44年にわたり営業してきた「ina21練馬中村南店」を閉店し、道路を挟んだ真向かいに「いなげや練馬区中村南店」をオープンした。食品売場を大幅に拡大し、日商200万円から500万円へ2.5倍の売上増を目指す。10年以上検討を進めてきたスクラップアンドビルドの実現で、練馬区での出店は8店目、総店舗数は133店となった。
新店の1.5㎞商圏の世帯数は、同社全店平均約2倍の7万7千558世帯。20代や30~50代のファミリー層が多く、シニア層の割合が低い。競合店には「オーケー中杉店」「西友中村橋店」「ライフ練馬中村北店」「サミットストア鷺宮店」がある。
売場面積(1千408平米)は旧店から微増に留まり、店舗全体の取扱点数(約1万2千SKU)も大きくは変わっていない。ただし、旧店は2フロア構成で1階が食品・2階が衣料品と雑貨だったところ、新店は1フロアにして売場の9割ほどを食品が占める。旧店では生鮮と惣菜の品揃えが地域顧客の期待に十分応えられていなかったことに加え、旧店の抜けたビルにマツモトキヨシとダイソーが出店の意向を示していることも食品中心への舵切りを後押しした。
新店では、入口から青果・インストアベーカリー・惣菜・鮮魚・精肉と売場をつなげて展開。開店当日の会見で鈴木竜太店長は「お客様に品揃えの良さと鮮度の優位性を強調できている」とコメント。本杉吉員社長は「バックヤードを含めて効率の良いレイアウトになっている」と説明した。
目標年商18億円の想定売上構成比は、生鮮・惣菜合計で53%、うち精肉18%、野菜11%。客層が若いため肉の割合を高く見積もった。
旧店で店舗から離れていた駐車場は店舗屋上に46台分を用意し、駐輪場は108台分を店舗前に設け、アクセス面も改善。開店当日は入場制限を実施するほどの賑わいを見せた。