物流の生産性向上を推進 ニチレイロジグループがソリューションセミナー

ニチレイロジグループ本社は、このほど4年ぶりとなる第9回「ロジスティクス・ソリューションセミナー」を都内で開催した。梅澤一彦社長は、「2024年問題が目前に迫り、物流業界は岐路に立っている。当社はサステナビリティな物流サービスの提供を通じて、お客様から選ばれる物流企業を目指す」など話した。

同社は国内で20年に名古屋みなと物流センター、21年にキョクレイ本牧物流センターを新設。24年1月にはキョクレイ神戸六甲物流センターが稼働し、通関・流通加工機能を有する高付加価値ワンストップサービスを西日本エリアにも展開、東日本エリアの大黒物流センターとの連携強化も図る。

セミナーは主催者講演として、ロジスティクス・ネットワークの馬場園修三常務執行役員が「24年乗務員労働時間制約の取組みについて」をテーマに登壇。「24年問題は労働時間の短縮と並行し、荷積み・荷待ちなど生産性の向上を図ることも重要」とし、「定時定発・予約システムの導入でドライバーの長時間待機を削減」「新中継拠点のゲートウェイを活用し幹線運行を担保」「パレタイズ化の推進で荷積み・荷降ろし時間削減」などの具体的な取り組みを紹介した。

また次世代輸配送スキーム「SULS(サルス)」を説明。荷台部分の切り離しが可能なトレーラーを活用することで、荷積み・荷降ろしなどの作業をあらかじめニチレイロジグループの拠点側で行えるメリットがある。セミナーでは井村屋、コストコとの運用事例を披露。稼働路線は現状の「九州~関西~名古屋~関東」から今年度中に東北まで延ばす。馬場園執行役員は「冷凍・冷蔵・常温にかかわらず運用可能。新しい商品や取引先との出会いを生むことができる」と意義を強調した。

次いで、同社リテール事業本部の伊藤剛リテール開発部長が、「自動発注の高度活用による物流改善」をテーマに講演した。食品スーパーの物量を曜日別に見ると、平均に比べ週半ばは約70%まで減るが、週末は130%に膨らみ、最大約1・8倍もの波動が発生しているという。欠品・廃棄ロスのリスクを低減するため、販売する直前に仕入れるケースが多いためだ。

そこで、同社は小売の自動発注システムを活用し、賞味期限が比較的長い食品を週半ばに前倒しで納品する取り組みを検証。その結果、欠品や廃棄ロスはほぼ増加せず、トラック積載率の平準化や運行車両の削減を見込めることが分かったという。