味の素 売上・事業利益が新記録 SKU削減し筋肉質目指す 藤江社長が方針説明

味の素社の藤江太郎社長(取締役代表執行役社長最高経営責任者)は11月6日に開いた2024年3月期第2四半期決算発表会の中で、CEOメッセージとして、決算概況と国内の調味料・食品動向および来期に向けた考え方を発表した。

それによると、「23年度中間期は売上高・事業利益とも新記録。23年度修正予想は売上高・事業利益の期初予想を維持し、親会社の所有者に帰属する当期利益は1千億円に上方修正。海外の調味料・食品の利益率が大幅に回復し、北米の冷凍食品は構造改革の成果が目に見えて表れるようになった。主に22年度の迅速な打ち手(価格対応など)が奏功した」と振り返った。

国内の調味料・食品は「単価アップとともに数量を回復させたかったが、物価上昇への生活防衛を乗り越えるまでの、数量増への実力はまだ足りなかった。マーケティングデザインセンターを設立し打席に立つ(新商品を発売する)土壌ができつつある。短・中長期の打ち手をしっかり入れていく」方針を示した。

24年度に向けては「短期の施策も必要。損益分岐点を下げる取り組み(SKUの集中化・削減などの筋肉質化の取り組み)も進めていくことで、FY23の着実な達成とロードマップに沿った24年度事業利益の二ケタ成長を実現する」。

マーケティングデザインセンターの設立に伴う新製品開発については、「過去5年間、筋の良い新製品が出せなかったことを反省し、マーケティングデザインセンターを設立し各事業部とマーケッターが連携し、まだ十分ではないがかなり変化対応の兆しが確かなものになってきた」とし、「下半期および来期に向け、最低でも10億円を超える複数の新製品を仕込んでいく」など考えを示した。

SKUの集中化・削減については「これまでも削減および効率化を進めてきた。コロナ禍で生産が厳しい時にSKUの集中・集約したことにより、利益が底上げされた。1ブランドで20SKUもあるブランドもある。今後は23年後半、24年に向けて新製品を発売しながらSKU削減を思い切って行う」方針だ。中間期は棚卸資産回転日数(DIO)が上昇したが、利益を下支えする仕込みという面も含めてSKUの集中化・削減化により損益分岐点を下げながら棚卸資産回転日数を下げていく」。

2024年問題が浮上する中で、味の素やハウス食品グループなど大手食品メーカーが出資している物流会社「F-LINE」について、藤江社長は、「ドライバー不足が懸念される2024年問題は乗り越えられるところまできた。しかし、このまま手をこまねいていると、さらに致命的な状況になる」。そこで現在、翌日配送(n+1)が中心だが、「F-LINE」として(n+2)を提案。また、スカスカ物流問題に対してそれぞれの企業がどう対応できるかも検討。「F-LINEにとって、第1ステージは6社が一つにまとまり、2024年問題をクリアしたことで第2ステージをクリアしたが、今後、第3ステージは次に向けて諸問題を解決し、存在感を発揮していく」との方針を示した。

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