オタフクソースの23年9月期は売上高が前年比106.8%の265億1千900万円、経常利益78.6%の8億1千700万円で着地する見通し。前期は100周年の関連企画、主力品の生産体制強化、価格改定などに取り組み増収減益。グループの連結は売上高106.1%の303億7千万円、経常利益同82.1%の12億4千万円を見込み、グループの売上高が300億円を超えた。
佐々木孝富社長は17日にANAクラウンプラザホテル広島で開いた近況報告会で今期のテーマとして「共感と実践」を掲げ、「課題に対し一つの部門ではなく横の連携、さらに社内だけでなく産官学民で連携することが大事。これまでも行ってきたが、より意識を集中し取り組む。個々と組織のレベルを上げることで、さらに新しい価値を生み出せる」と述べた。
具体的には、社員による店頭のデモ販売や新型キャラバンカーの導入により消費者と積極的なコミュニケーションを図りながら、生産面では主力品「お好みソース」の生産ラインに新たな設備を導入。また、関東市場でのお好み焼、焼そば、たこ焼のさらなる普及に注力する。
海外市場に向けては経営資源を積極的に投入し、欧州の拠点開設、マレーシアの新工場稼働などを予定。BPRについては業務プロセスの品質向上や組織横断の業務などに継続的に取り組む。
今期はオタフクソースが104.6%の277億5千万円、経常利益12億2千万円、グループ連結では売上高が105.8%の321億4千万円、経常利益20億1千万円を目標とする。
なお、今後の投資計画について、日光工場は生産能力を増強するため2棟のうち1棟を建て替える。投資額は約30億円。今月にも着工するマレーシアの新工場は新たに13億円程度を投じる。グループのナカガワも新工場の建設を予定している。
佐々木社長の話 「お好みソース」「こだわりセット」はさらなるブラッシュアップを予定している。お好み焼、焼そば、たこ焼の普及は関東ではまだ道半ばだと考える。酢はフリーズドライやレトルトなど新しい研究を進めている。また、日本の発想で考えた環境対応や製品仕様ではなく、グローバルな目線で通用する商品を国内でも製造できる体制にもっていきたい。