日本加工食品卸協会(日食協)は10月18日、目前に迫る物流の2024年問題への対応策として、「荷待ち・荷役作業削減に向けた加工食品業界の取り組みガイドライン」を協会ホームページに公開した。物流現場の課題である荷待ち・荷役作業の削減に向けて、メーカー・卸が相互の認識を共有し、具体的な対応方針を策定。ガイドラインの周知徹底を図り、製配販3層が連携して持続可能な物流の構築を目指すとともに、政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」で示された「荷待ち・荷役作業の2時間以内」への対応を急ぐ。
ガイドラインは、日食協の物流問題研究会(卸12社)と、加工食品メーカー8社で組織する「食品物流未来推進会議」で検討を重ねてきたもの。持続可能な加工食品物流構築のためには、トラックドライバーの拘束時間の削減、輸送能力の最大限の活用が不可欠とし、メーカー・卸が取り組むべき施策をまとめた。なお、適用範囲はメーカー拠点(発荷主)から卸拠点・小売業専用DC(着荷主)への納品までとする。
長時間の荷待ち・荷役作業発生の要因としては
①アイテム数の増加
②物流センターのバース・作業場の狭隘化
③バラ積みバラ降ろし
③先着順による入荷検品
を挙げた。
そのうえで、「荷待ち時間」について、各拠点の開場時間以降で「受付時間(予約時間)から荷降ろし開始時間まで」と定義。長時間の荷待ち削減に向けては、入荷受付システムの利用推進・ASNデータを活用した検品レス・入荷時間枠の見直し・発注頻度の低減などを盛り込んだ。
「荷役作業」の削減では、発着荷主双方が荷役作業の工数見直し・削減に取り組むことや、フォークリフト作業、商品の整列作業、その他の作業について明記。「バラ積みバラ降ろし」は長時間待機の原因となることからパレット納品を推進することや、ラベル貼付や棚入れ、ロット入替えなどの作業は着荷主側の業務範囲とすることが盛り込まれた。