ニチレイフレッシュは、ごまを配合した独自飼料で育てた健康価値食肉「ごまんてん」を来年から全国展開する。
近年は食事の健康性や食品の成分について意識する人が増えている一方、20年の調査では「多少健康によくないと思う食事でも、おいしいものが食べられるほうがよい」との回答が「健康によい食事のためには多少味が落ちても仕方がない」との回答を上回った(日清オイリオ「生活科学研究」レポート№44)。
「健康とおいしさはトレードオフではなく、健康を重視してもおいしさは捨てられないと考えている人が多い。自社の調査でも『健康×おいしさ』のコンセプトは最も支持が高かった」(9月22日の発表会で取締役常務執行役員畜産事業部長・澤崎元氏)。
そこで「健康とおいしさ」に着目して開発をスタート。中部飼料が専用に開発したごま配合の飼料を豚に与えることで、ごま由来の機能性成分「セサミン」を豚肉の脂質中に移行させることに成功した。「ごまんてん」バラ肉100gでセサミン4.6㎎が摂取できる計算だという。
また一般的な豚肉に比べて旨味、コク味、脂肪の口溶け、獣臭の弱さのいずれも上回っていることを官能評価で確認。健康成分のセサミンが摂取できるうえ、おいしさにも優れた豚肉の開発に成功した。
同社の健康食肉ブランドとしては、オメガ3が豊富なアマニ配合の飼料で育てられた牛・豚・鶏肉「亜麻仁の恵み」に続く第2弾。
七星食品(香川県)の農場で昨春から試験肥育に着手。健康とおいしさを訴求できる品質を確認したうえで本格生産を開始し、今年から西日本エリア限定で展開してきた。このほど北海道に新たな委託農場を設けて供給体制を整え、来年から全国の量販店で販売する。