節約で自粛?「プチ贅沢」

デリカ売場でスイーツを充実させるのには明確な理由がある。「夕食の惣菜を買うついでに、自分用のおやつも一緒に購入してもらいたい」とメーカーの担当者。菓子売場や日配売場に並ぶものより、ちょっと贅沢な商品を提案する。

▼この話を聞いたのは昨年の春。その後、食品業界では値上げが本格化し、あらゆるカテゴリーで2回目、3回目の改定が繰り返された。それにつれ、消費者も財布の紐を一層固くする。

▼先日、卸売業の幹部が話していた。低アルコールのRTDや、美肌をうたった化粧品などの動きが鈍っていると。「主婦が自分自身のために買っていたものを、自粛するようになったのではないか」と危惧する。

▼値上げの浸透とともに、スーパーでは販売価格が上昇。一方で買上点数は減少した。卸には、下がった点数をいかに上げる提案ができるかが問われている。まずは自粛の気持ちが緩和されるように、そして、もう一度プチ贅沢がしたくなるように。「この1、2年は値上げの対応に追われてばかりだったが、この提案が実を結べば、商売はもっと面白くなる」と意気込む。

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