サントリー食品インターナショナルの「GREEN DA・KA・RA」ブランドは昨年、年間販売数量が過去最高実績を更新した。
2022年販売実績は前年比15%増の4830万ケース。
ブランド誕生10周年を迎えたのを機に麦茶飲料の「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」とともに「GREEN DA・KA・RA」本体の中味・容器・宣伝を大刷新したほか、新たに草彅剛さん扮する新キャラクター“やさしいマン”をブランドの顔に起用してコミュニケーションを展開した。
昨年の実績について、取材に応じた井島隆信SBFジャパンブランド開発事業部課長は「リニューアルが奏功したことに加えて最需要期に好天に恵まれたことが追い風になった。特にスポーツドリンク市場はコロナ禍による外出自粛で20年、21年と厳しかったが、昨年は行動制限のない夏に天候の後押しもあり市場も1割程度増えたとみている」と振り返る。
麦茶飲料市場もほぼ同じ動きとなり、本体・「やさしい麦茶」ともに2ケタ増を記録した。
コミュニケーションは、“やさしいマン”効果もあり30、40代男性の新規ユーザーを多く獲得できたことが収穫となった。
「リニューアル効果に加えて、コミュニケーションも狙い通りとなった。過去、グリーンダカラちゃん・ムギちゃんのキャラクターで“子どもから大人まで安心して飲んでいただける”メッセージをお伝えし、これまでご支持いただいてきた。しかし一部のお客様からは、“大人向けではないと思っていた”というお声もあり、昨年刷新したところ飲用層が拡大した。特に30、40代男性が今まで以上に増えた感じがする」と語る。
今年はこの動きを加速させて、ブランド全体で大人層獲得に取り組む。
「 “子どもも安心して飲める”ことをご理解いただけているのは、過去10年間のコミュニケーションの成果だが、一方で、一部の方から“大人向けではない”と思われている課題が1年で簡単に変わるわけがなく、大人層の開拓はこのブランドが根強く抱える課題であると認識している」という。
商品面では「本体・『やさしい麦茶』ともに昨年ご評価いただいたポイントをより強化していく」との考えのもと、本体・「やさしい麦茶」ともに中味とパッケージを刷新して4月25日から発売している。
本体の中味は「スポーツドリンクとしての機能感を高めるべく磨きをかけた」。
具体的には、果実や食塩などの素材で作ったすっきり飲みやすい味わいと、水分補給飲料としての機能性(水分・ミネラル補給、人のカラダに近い浸透圧)をそのままに、汗で失われるミネラルの一種であるカリウムを強化して発汗時などの乾いたカラダへの補給感・満足感を高めた。
ボトルは、ゴクゴク飲めることを伝えるために本体と「やさしい麦茶」で昨年採用した流線形の動きのある表現にこだわったボトルを継続して採用。
本体のラベルは昨年、スポーツドリンクタイプの飲料を欲する際に求める機能感と、カラダに浸透していくイメージを、透明感のある青のカラーリングを採用して、“心とカラダにやさしい水分補給飲料”の訴求を強化。
今年もこれをベースに、スポーツドリンクのカテゴリーを象徴する青色をよりクリアにしてすっきりと表現している。
そのほか「お水のように思われている方に向けて、スポーツドリンクであることを伝えていくのだが、一般的なスポーツドリンクとは一線を画し、ゴクゴク飲めて、カラダにもやさしいスポーツドリンクであることを訴求していく」との考えのもと、素材イラスト付近に「7種の素材」と記載している。
本体のコミュニケーションも“7種の素材でうれしいスポドリ!”をコピーに掲げてTVCMなどを展開している。
夏場に向けては、需要喚起策を予定しているほか、店頭や教育機関などで熱中症対策を引き続き啓発していく。
「大きな流れとしては、亜熱帯化で日本はどんどん暑くなっている。生活者の熱中症対策意識は、ここ数年で格段に高まっている。朝の情報番組のお天気コーナーでも、その日の予報が高温の場合は、ほぼほぼ熱中症対策の呼びかけとセットに伝えてられるようになっている」との見方を示す。
「GREEN DA・KA・RA」の派生品となる熱中症対策飲料も強化。夏季限定で展開している「塩ライチ&ヨーグルト」を5月23日にリニューアル発売した。
サウナなど発汗シーンに向けては、「デカビタC」とのコラボ商品「DEKARA PRO(デカラ プロ)」をセブン&アイグループで5月30日から数量限定で発売している。
従来の「DEKARA」に配合していたマルチビタミン・ミネラル・ローヤルゼリーエキスに加え、今回は新たに乳酸菌・食物繊維を配合した。
余分なカロリーを摂取したくないストイックなサウナー(サウナ愛好家)も意識して、カロリーゼロ・糖類ゼロも特徴となっている。
【写真】草彅剛さん扮する“やさしいマン”の様々な表情 サントリー「GREEN DA・KA・RA」