〈登板〉松屋栄食品本舗 宮本卓社長 主力ステーキソースの製造開始 既存事業とブロンコビリー両輪で成長を

1976年創業の調味料・惣菜メーカー、松屋栄食品本舗(愛知県犬山市、以下松屋栄)は、業務用つゆ・たれや各種調味料のOEM・PB受注を軸に事業を展開。特に肉系調味料や和惣菜を強みとし、家庭用でも焼肉のたれや鍋つゆが人気のメーカーだ。22年7月、中部地盤の外食チェーン・ブロンコビリーの100%子会社となり新生スタートを切ったが、今年4月からはブロンコビリーで取締役商品本部長を務める宮本卓氏が松屋栄の社長を兼務。シナジーの最大化に向け取り組みを加速している。

昨年のブロンコビリーグループ入りを受けて既存の業務用・家庭用商品の製造販売に加え、ブロンコビリー向けソース・ドレッシング等の製造体制を構築。22年9月からサラダバー用のドレッシング3品ほかスープなどの製造を順次、ブロンコビリーのメーン工場である春日井工場から移管している。この6月以降は、主力のステーキソースと和風ドレッシングの製造もスタート。ブロンコビリーの店舗拡大や新業態のとんかつ店「かつひろ」の本格展開など、グループの業容拡大にあわせその役割も大きくなっていく。

「ブロンコビリーのお店で提供するドレッシングやステーキソースを売って欲しいという声は昔からあったが、それらは店舗向けの専用商品であって、市販向けや業務用のスペックでは作れなかった。そうしたノウハウを持つ松屋栄がグループに加わり、いろいろ新たな展開が可能になってくる」と宮本社長。

今回、製造を移管したステーキソースと和風ドレッシングについても、松屋栄が「ブロンコビリー」ブランドを冠した市販用商品として早期完成・発売を目指す。ブロンコビリー店舗を一販売店として捉えれば、松屋栄の既存NBを販売することも「あり」とのことで、様々な形でシナジー創出を模索する。

「現在は松屋栄の売上の約3割がブロンコビリー向け。私としては既存事業と半々がバランス的にも良いかと思うが、このままいくとブロンコビリー向けのウエートが相当高くなる。しかし、それだけに頼る経営はしたくない。48年の歴史を持つ松屋栄が創業時から受け継いできたノウハウや人材を生かし、既存事業もブロンコビリー向けに負けないくらい増やしていきたい」とする。

「ブロンコビリーも松屋栄もそれぞれ掲げる経営理念があるが、『お客様に喜んでいただくこと』『従業員の物心両面の幸福』『社会への貢献』は共通するところ。だからこそ一緒にやっていけると判断した。社長としてはまだまだ力不足だが、当面はブロンコビリーの業務をスムーズに移管すること、そこでしっかり売上・収益を増やすことで、会社としての経営基盤をもっと強固なものにしていきたい」

宮本卓氏(みやもと たく) 1978年12月27日生まれ(44歳)。2001年ブロンコビリー入社、03年浜松三方原店店長、06年8月コミサリーマネージャー、08年6月製造部長、12年3月取締役製造部長、17年4月取締役商品部長、22年4月取締役商品本部長、22年7月(兼)松屋栄食品本舗取締役、23年4月(兼)松屋栄食品本舗取締役社長

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