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飲料系飲料アサヒ飲料「三ツ矢」の果汁炭酸飲料が好調 「特濃」シリーズや新商品「フルーツリッチプラス」に手応え

アサヒ飲料「三ツ矢」の果汁炭酸飲料が好調 「特濃」シリーズや新商品「フルーツリッチプラス」に手応え

 アサヒ飲料の炭酸飲料ブランド「三ツ矢」は、昨年実施した価格改定の影響で量販店での大容量タイプが足踏みする中、「特濃」シリーズや新商品「フルーツリッチプラス」など高果汁・高付加価値型の商品が好調に推移している。

 これらの好調商品はブランドと消費者との接点強化にもつながりうる。

 取材に応じた高橋徹マーケティング一部炭酸グループリーダーは「買い回りの中に『三ツ矢』が入るのは非常に重要なテーマ。『特濃』で『三ツ矢』のおいしさを知っていただき、“甘くて太りそう”と有糖炭酸を手に取りづらい方に『フルーツリッチ』を選んでいただくなど、ターゲットに応じて共感をいただくことが大事」と語る。

 「特濃」シリーズは、皮ごと搾った果汁や果実をまるごと搾った果汁などを使用した果汁炭酸飲料。昨年の年間販売数量はシリーズ合計で前年比47%増を記録した。

アサヒ飲料の高橋徹マーケティング一部炭酸グループリーダー
アサヒ飲料の高橋徹マーケティング一部炭酸グループリーダー

 今年も好調を維持し、シリーズ定番3品の中で一番の売れ筋は「グレープスカッシュ」。
 これに「ピーチスカッシュ」「オレンジスカッシュ」の順で続く。

 好調要因は、果汁炭酸の価値をわかりやすく提示できている点にある。

 「パッと見て濃さやおいしさが伝えられている点が大きい。単なる嗜好品に留まらず、果汁炭酸なりのよさや罪悪感払拭のようなものがベースにある」との見方を示す。

 このブランド派生品の“パッと見て分かる”商品特性から自販機の販売も上向いている。

 「自販機の好調要因は基本的には人流回復によるパーマシン(1台当たりの売上げ)アップにあり、これにダイドードリンコ様とのアライアンスもあり出荷ベースは10~20%程度上乗せになっている。これらをベースに一番大きな要素としてはパッと見て分かるということにある。『こだわりレモンスカッシュ』(無果汁・炭酸飲料)や『100%グレープミックス』は前年を上回っている」と説明する。

「フルーツリッチプラス」
「フルーツリッチプラス」

 新商品の果汁炭酸飲料「フルーツリッチプラス」は「希望小売価格が税込184円と少し高めだが、想定以上にトライアルを獲得して『三ツ矢』の健康価値も伝えられている」。

 同商品は、ブドウやリンゴ、オレンジといった果汁を70%配合し、砂糖を使用しないことで果実本来の甘みや味わいが特長。1日分のビタミンCとビタミンB6が摂取できる。

 「砂糖不使用ということで、パッケージと中身とのギャップがあるのは事実で、ここのところを解消していくのが今後の課題。ただ、出社機会が減り野菜ジュースが縮小傾向にある中で、炭酸で健康的なものを求める動きには対応できている」と語る。

 夏場は、消費者との接点拡大を目的に、好調な「特濃」シリーズを力強く押し出していく。

 「お客様が『三ツ矢』と接する機会を増やしていくことが非常に大きな課題。調子のよいシリーズで巻き返しを図っていきたい」と意欲をのぞかせる。

 7月から8月にかけて、新広告と店頭キャンペーンを展開していくほか、SNSでは「裏三ツ矢の日」を発信するなどして話題を喚起していく。

 「3月28日の『三ツ矢の日』には全社的なイベントを行っている。『三ツ矢』がより浸透している近畿エリアでは昨年、テスト的に8月23日を『裏三ツ矢の日』として店頭展開を行った。今年はオウンドメディアやSNSを使ってそのような情報発信を行いながら、7月と8月にキャンペーンを展開していく。この時期にブランド接点をつくっていくことがとても重要だと考えている」と気を引き締める。

 「三ツ矢サイダー」が発売140周年を迎える来年、さらには以降に向けて、“磨かれた水”を使い水・香り・製法にこだわった「三ツ矢」の本質価値の訴求強化を視野に入れる。

 「三ツ矢サイダー」は、1884年(明治17年)に発売された「平野水」が源流。日本最古の炭酸飲料ブランドで、「コカ・コーラ」よりも古い。「コカ・コーラ」は1886年、米国ジョージア州で誕生し、その後、1904年に「ウイルキンソン タンサン」が発売された。世界最古の炭酸飲料は「シュエップス」とされ1783年に誕生した。

 「三ツ矢サイダー」は今年、中身とパッケージを見直して2月下旬から順次発売。
中身は、砂糖の使用を止め、果糖ぶどう糖液糖のみを使用。砂糖を不使用にすることで製造工程の熱処理を減らしコストダウンを図るとともに年間で約100トンのCO2排出量削減を見込む。

 「『三ツ矢サイダー』の物性の数値が50年ほど変わっておらず、甘味質を変えることには多少のリスクがあったが、そのことへのご不満のお声はなく、環境配慮のリニューアルができたというのは非常に大きな成果」と捉えている。

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