日本冷凍食品協会が21日公表した2022年(1-12月)の冷凍食品国内生産量は159万8千808トン、前年比0.7%増と2年連続で前年を上回った。過去最高だった17年(160万46トン)とほぼ同水準。金額(工場出荷額)は7千639億円、4・0%増と3年連続プラスで過去最高を更新した。これまでの記録は1999年(7千499億円)で23年ぶりに上回った。
国内生産(22年)の調査対象は協会会員364企業・428工場。業務用は数量79万3千812トン(0.6%増)、金額3千578億円(4.4%増)。コロナ禍で20年に数量が13%減と落ち込み、復調が期待されたものの、21年(1.1%増)に続き小幅な伸びにとどまった。金額は価格改定の効果で数量よりプラス幅が大きい。なお過去最高は1997年の108万4千126トン、5千369億円。
家庭用は数量80万4千996トン(0.8%増)、金額4千615億円(3.7%増)。ともに前年を上回り、過去最高となった。数量のプラスは8年連続。伸び率は鈍化したが、内食特需でベースアップ(20年11.4%増、21年3.5%増)した実績を超えてきた。構成比は50.3%で、昨年に続きわずかながら業務用を上回った。こちらも価格改定で数量より金額の伸び率が約3%高い。
品目別生産量(大分類)では、大部分を占める調理食品(構成比90%)が143万8千539トン、0.9%増と堅調。農産物は横ばいだったが、水産物は5.5%減となった。菓子類は低ウエート(同3%)ながら9.5%増と続伸。
小分類の品目別をみると、1位うどん(構成比12.5%)、2位コロッケ(同10.0%)は昨年同様だが、3位に初めてギョウザ(同6.4%)が入った。炒飯(同6.2%)は4位に後退。以下は5位にパスタ(前年7位)が上昇、6位はラーメン類、7位はハンバーグ、8位はカツ、9位はピラフ類、10位はたこ焼・お好み焼と続く。
前年に比べ増加分が大きかった品目は、春巻(4千644トン増、22.9%増)、ギョウザ(3千836トン増、3.9%増)、パスタ(3千542トン増、5.7%増)。
一方、輸入(財務省貿易統計)は冷凍野菜が数量114万9千97トン(7.2%増)、金額2千822億円(38.7%増)といずれも過去最高だった。金額の伸びが大きいのは円安と現地価格が上昇した影響とみられる。ボリュームの大きいポテト(構成比37%)が12.4%増でけん引し、ブロッコリー(同6.5%)も15.7%増と伸びた。前年減少したえだまめとコーンはプラスに転じた。国別は5割弱を占める中国が6.5%増、シェア2位のアメリカも3.3%増と順調。ベルギーが主力のポテトを伸ばし36.9%増で3位に入った。4位に下がったタイも2.0%増で落ちていない。
輸入調理冷凍食品については、取り扱いのある協会会員37社を対象に調査、22年の実績は23万3千578トン(1.1%減)、金額1千603億円(3.8%増)だった。
協会は「国内生産量」「冷凍野菜輸入量」「調理冷凍食品輸入量」の合計を冷凍食品の「消費量」としているが、22年は298万1千483トン(3.0%増)で過去最高となった。人口推計から算出した1人当たりの年間消費量は23.9kgでこちらも記録を更新している。金額ベースは1兆2千65億円(10.5%増)。