アサヒ飲料が2024年「三ツ矢サイダー」140周年に向けて強化していく3つの領域とは?

 アサヒ飲料は2024年の「三ツ矢サイダー」140周年に向けて「三ツ矢」ブランドに磨きをかける。

 3月24日、メディア向けに開催された「三ツ矢サイダーミュージアム見学会」で高橋徹マーケティング一部炭酸グループリーダーは、ブランドの方向性について、定番の「三ツ矢サイダー」に、「三ツ矢」特濃シリーズと「三ツ矢」クラフトシリーズの嗜好系、「三ツ矢サイダーゼロストロング」と「三ツ矢サイダーW」の健康系を加えた3つの領域を強化していくことを明らかにした。

 健康系では現在の1.5倍の販売数量を目標に定める。
 ロングセラーブランドを次の世代につなげ、消費者との接点を最大化させていく考えだ。

 今年のマーケティング戦略については「基盤強化の年と定め、定番の活性化を図る」と語る。
 この方針のもと、すでに「三ツ矢サイダー」の中味を刷新し2月下旬から発売している。
 中味は「20年ぶりに原材料を見直した」とし、砂糖を不使用にして製造工程を見直すことで、すっきりした味わいをそのままにしている。

三ツ矢サイダーミュージアム - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
三ツ矢サイダーミュージアム

 そのほか、4月に「三ツ矢クラフトコーラ」をリニューアル発売する。
 「『三ツ矢』として日本人に合うコーラを徹底的に追求した。第三極を作り上げ、コーラ市場のお客様をしっかりとっていく」と自信をみせる。

 ミュージアムを併設する明石工場(兵庫県明石市)は「三ツ矢」「カルピス」「ワンダ」「十六茶」「ウィルキンソン」「おいしい水」の主力6ブランドを製造し、全体の約4分の1の数量を供給するアサヒ飲料最大級の飲料製造工場となる。
 
 明石工場の谷山智親工場長は工場の今後の取り組みとして「健康・環境・地域共創に重点的に取り組んでいく」と意欲をのぞかせる。

明石工場の谷山智親工場長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
明石工場の谷山智親工場長

 なお「三ツ矢サイダー」の起源は、明治の初めに英国の学者が兵庫県の当時の多田村平野(現:川西市)に湧く天然炭酸水を「理想的な飲料鉱泉」と絶賛し、同天然炭酸水を「平野水」として製造したのが始まり。

 サステナブル社会を目指す取組みでは、30年までにペットボトル(PET)を環境配慮素材にする目標を始め、PETからPETへの水平リサイクルの推進、ラベルレスボトルやシンプルエコラベル商品の拡大、地元兵庫県で里山再生や森林保全の定期的な活動などに取り組んでいる。