4.4 C
Tokyo
3.4 C
Osaka
2026 / 01 / 30 金曜日
ログイン
English
飲料嗜好飲料家庭用レギュラーコーヒー、プレミアム商品が拡大 背景に在宅時間を充実させたいニーズの高まり

家庭用レギュラーコーヒー、プレミアム商品が拡大 背景に在宅時間を充実させたいニーズの高まり

 家庭用レギュラーコーヒー市場は、値ごろ感のある大容量のコモデティ商品が支持を集める一方、高単価のプレミアム商品の伸びも顕著となっている。

 特に豆商品が伸びたと指摘するのは、UCC上島珈琲の伊藤佳世マーケティング本部嗜好品マーケティング部部長。

 「豆カテゴリーが他のカテゴリーと比べて、高品質なものが多い上にかなり伸びている。レギュラーコーヒー粉のプレミアム商品も一気に伸びてきているのも金額成長にかなり貢献した。見事な二極化が起こっており、大容量・低価格のコモデティ商品も伸びる一方、プレミアム商品は豆・粉・ワンドリップ(ドリップコーヒー)で構成比が高まっている」と語る。

 プレミアム商品が伸びている背景としては、コロナ前に喫茶店やカフェで本格コーヒーを飲んでいた層の流入を挙げる。
「在宅ワークが増えて、これまでカフェチェーンなどで飲んでいた層が、お家での贅沢やご褒美として、高品質なコーヒーを飲みたいニーズが増えている」とみている。

 キーコーヒーでは、高付加価値商品の「トアルコ トラジャ」を使用したレギュラーコーヒーが順調に推移。近年の傾向としては、コロナ禍で在宅時間をより充実させたいニーズが高まったことで30‐40代の新規ユーザーを獲得している。

 この動きについて、小笹明子マーケティング本部R&Dグループ設計第一チームリーダーは「外出自粛でコーヒーの購入場所が限られた中で、スーパー・量販店の売場で、若年層かから在宅時間を充実させるためのコーヒーとして選ばれたと思っている。これまで高単価商品は50代以上の方をターゲットにしてきたが、若年層にも興味を持っていただけるということが十分に分かったため、既存のロイヤルユーザーを最優先としながらも、このような機械を逃さず、若年層にも積極的にアプローチをしていきたい」と述べる。

 豆の比率が高いのが特長で「家庭用市場は豆と粉の比率が1対9と粉が圧倒的に多いのに対し『トラジャブレンドシリーズ』に関しては豆が1に対して粉が2と、豆の販売構成比が高く、本格志向のユーザーに支えられている」と説明する。

 小川珈琲も豆などの高付加価値商品への引き合いが強まる。

 同社は昨年、販売金額・販売数量ともに市場推移を上回って着地。牽引役は期間限定コーヒーで、「春」「夏」「秋」「冬」の季節を表現したパッケージデザインが支持され22年9月―23年1月の期間も引き続き2ケタ増で推移している。
 豆商品も2ケタ増を維持。村上祐一総合開発部長は。「コーヒーの飲まれ方や求める価値が多様化していることは豆商品の拡大からも見て取れる」と語る。

 村上部長は今後の市場について、新興ブランドの存在にも注視していく。
 「昨年3月から8月までの期間、スーパー・量販店の家庭用レギュラーコーヒー市場は6%増とみられる中、当社を含めた上位5社の伸びをならすと前年同水準と推定され、新規参入を含めて上位5社以外のところが伸びてきている」と分析する。

 コーヒーに限らず食品全体でメリハリ消費が進行していると指摘するのは、ネスレ日本の高岡二郎飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&システムギフトボックスビジネス部部長。
 「サステナビリティへの意識や健康志向、さらに節約意識は当然高まっていると思っている。一方、外出の魅力というものも再認識され、価値があると思ったことには時間やお金をかける傾向がみられる」と続ける。

 味の素AGFは「レギュラーコーヒー飲用者の中でも豆の種類や品質、焙煎、挽きたての鮮度を重視し、コーヒーへのこだわりをさらに追求したいといったニーズが拡大しており、焙煎豆の販売も通販を中心に好調に拡大している」との見方を示し、3月15日に「ちょっと贅沢な珈琲店」レギュラー・コーヒーシリーズから2品種の焙煎豆タイプを通販限定で発売開始した。

レギュラーコーヒー市場 出典:インテージSRI+データ
レギュラーコーヒー市場 出典:インテージSRI+データ

 インテージSRI+データによると、レギュラーコーヒー市場の22年販売金額は前年比8.8%増の626億円を記録した。
 サブカテゴリーで大きく伸長したのが豆とドリップコーヒーで、袋(豆)が15.7%増の30億円、ドリップコーヒーなどの個包装が10.3%増の268億円となった。

 この動きについて、インテージ市場アナリストの木地利光氏は「袋(豆)、個包装(ドリップ等)の両者とも、特に好調なのが、専門店のブランドなど高価格・高品質を訴求する商品。コロナ禍で、在宅時間が増える中、家庭でも本格的なコーヒーを楽しみたいという需要が高まっている」と解説する。

関連記事

インタビュー特集

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。