スティックブラックまたはブラックスティックと呼ばれるスティックタイプのインスタントコーヒーが若年層の新規ユーザーが流入して拡大している。
味の素AGF調べによると、2018年から22年の4月~9月における金額ベースの年平均伸長率が124%と大きく伸長。22年4-12月の期間でも、前年同期比二桁増と推定される。
そうした中、AGFの「ちょっと贅沢な珈琲店」スティックブラックシリーズが最もシェアを拡大し同市場を牽引しているとみられる。
スティックブラックが支持される理由について、AGFの武岡正樹常務執行役員は「バルク(袋タイプ)のインスタントコーヒーと比べて、一杯ずつ個包装されているため香りが逃げずいつでもフレッシュな味わいが楽しめる。リモートワークの合間や短い休憩時間に、お湯を注ぐだけできるのも特徴で、若年層がかなり流入してきている」と説明する。
市場活性化を受け、AGFは3月1日に同シリーズから初となる東北・東海・瀬戸内(中国・四国)・九州4エリアの嗜好や特性に合わせたインスタントコーヒー4品を新発売した。
ネスレ日本も昨年、金額ベースで「ネスカフェ ゴールドブレンド ブラックスティック」が前年比19%増、「ネスカフェ エクセラ ブラックスティック」が5%増と好調。両ブランドとも値ごろ感とボリュームのバランスで特に中サイズ帯が支持を集めている。
個包装のインスタントコーヒーは、瓶商品などの購入を促す役割も考えられるが「スティックを買われている方はずっとスティックを買われている」と指摘するのはネスレ日本の高岡二郎飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&システムギフトボックスビジネス部部長。
その背景については「若年層などライトユーザーがお家で飲み始め、個包装で鮮度・品質が担保されていることに加えて、簡単・便利でおいしいことがポイント」との見方を示す。
市場拡大を受けたネスレ日本の新たな動きとしては、この春夏の目玉となる「ネスカフェ 香味焙煎 ひとときの贅沢」からスティックブラック商品を3月1日に新発売した。