持続可能なワイン造りへ サントリー、伊カヴィロ社と包括提携 テトラパック製品発売

「私たちは、自然の恵みであるワインとサステナビリティは不可分と考える。畑からワインをつくることそのものがサステナビリティ活動だ」。サントリーワインカンパニーの吉雄敬子社長は9日の発表会で、持続可能なワインづくりを通じて市場をリードする考えを示した。

サントリーのワイン事業は、昨年の国内売上高が434億円(前年比110%)と過去最高。「酸化防止剤無添加」ブランド、RTD「ノンアルでワインの休日」、そして昨年に立ち上げた日本ワインのシリーズ「フロム・ファーム」などが貢献し、市場を大きく牽引した。そして今回、ワインでのサステナビリティ活動のパイオニアとして知られるイタリア№1ワイナリーのカヴィロ社と、包括連携協定を結んだ。相互の知見を活用し、SDGsの各分野で連携。持続可能なワイン市場の発展を目指す。

農協組織であるカヴィロ社は、ぶどう栽培やワイン造りで出る残渣の99%以上をエタノールや酒石酸、バイオエネルギーなどの新たな付加価値製品に転換。再生可能エネルギーを活用した電力の100%自給自足も実現し、環境負荷軽減に取り組む。サントリーとは95年に業務提携を締結して以来、協業関係を深めてきた。

カヴィロ社のカルロ・ダルモンテ社長は「私たちは循環型エコノミーのビジネスモデルを確立したパイオニア。廃棄物という概念をなくし、貴重な資源として生まれ変わらせる。始まったところに戻るという循環型サイクルで、コミュニティ全体が社会的利益を得られるようにしている。環境は所有物ではなく、次世代からの借用物。持続可能性の確立へ確固たる仕組みを構築し、実行することが大切だ」と述べた。

「すべては畑から」を掲げるサントリーのワイン造り、「すべては畑に戻る」の理念に基づくカヴィロ社の循環型ワインビジネスが共鳴。互いの強みを融合し、ワイン市場の持続的発展に取り組む。

両社が共同開発したオーガニックワイン「タヴェルネッロ オルガニコ テトラパック」として、〈サンジョヴェーゼ〉〈トレッビアーノ シャルドネ〉の2品を28日から発売。キャップや紙容器に植物由来素材や持続可能な原料を採用したパッケージは、CO2排出量を削減した容器に与えられる「カーボントラスト認証」を取得している。

サントリーではサステナビリティを強化したワイン製品の売上高を、27年までに17年比1.4倍となる56億円に、構成比を33%から40%へと高める計画だ。

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