カンロ 4輪駆動体制構築へ 22年は過去最高収益

1月にカンロの代表取締役社長CEOに昇任した村田哲也氏が7日、23年事業方針を発表した。村田社長は「前社長三須からの改革路線は継続しつつ先行き不透明な事業環境に負けない企業体質を確立し、持続的成長を実現する」と意気込みを語った。

今期は中計の2年目となり、4事業体制(コア、グローバル、デジタル、フューチャーデザイン)におけるコア事業のさらなる確立と他3事業の基盤確立を図りたい考え。

4事業での4輪駆動体制を構築することで「世の中の変化に対応し、厳しい環境を乗り越えたい」と述べ、「すべてのステークホルダーが応援したくなるような企業に成長したい」と語った(村田社長)。

具体的な施策として、コア事業は中期的なユーザー拡大を目的にZ世代との共創で新しい時代のキャンディ創造に着手、5月に商品化を予定している。また「ピュレグミ」と「マロッシュ」の自社コラボ商品「ピュレグミ×マロッシュレモン」を発売する。

村田哲也社長CEO(カンロ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
村田哲也社長CEO(カンロ)

グローバル事業は3月から、昨年発売した「0糖1刻」をリニューアルし、中国での本格展開を予定している。秋にはラインアップ拡充を図り、中国での公式SNSを立ち上げ訴求していく。また、既存ブランドでの米国市場への挑戦も予定している。

デジタルコマース事業は、ECサイト「Kanro POCKeT」でライフスタイルを一緒に作る複数ブランドとの協業や、ポップアップストアの出店を予定。また、創業110周年を迎え、セキユリヲさんがデザインしたパッケージで「日々の生活にひと味の彩り」を与える「Sweeten Style」を発売。さらにZ世代のインターンシップ制度の導入も予定し、学校法人自由学園高等科の生徒の受け入れを開始する。

フューチャーデザイン事業は、サステナビリティ軸での取り組みを強化し、ペーパーパレードと協業、未利用包材をアップサイクルした雑貨の開発を行う。

なお、22年12月期決算は、売上高251億1千800万円(16.3%増)、経常利益20億100万円(55%増)と大幅にアップし、過去最高収益を達成した。カテゴリー別にみても、飴は金のミルクシリーズやノンシュガーのど飴が二ケタ伸長し11.2%増、グミにおいては20周年を迎えた「ピュレグミ」が24.9%増だったほか、「マロッシュ」がZ世代からの支持を受け70%増と大幅に伸び、トータルで24.4%増となった。

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