パリ発オーガニックスーパー「ビオセボン」好調 健康とSDGsが追い風に 買上点数と客数は19年比140~150%増

 パリ発のオーガニックスーパー「ビオセボン」が好調に推移している。
 健康志向の高まりとSDGsへの関心の高まりを追い風に、品揃えを強化したことで既存店の買上点数と客数が拡大している。

 12月17日、囲み取材に応じたビオセボン・ジャポンの八木盛之社長は「2019年下期(2月期)くらいから既存店の買上点数と客数が非常に伸びている。19年から22年にかけて、店舗によって凸凹あるが、既存店は年率約110%で伸び、19年比だと140~150%で推移している」と振り返る。

 「ビオセボン」のメイン顧客層は30~40代。
 客数が増える中で客層にも広がりをみせているという。

 「本当にここ2年くらい、学生や20代など若いお客様が増えている。『ビオセボン』に入社される従業員も、日ごろの生活の中で使うものや食べるものについて、少しでも環境によいものを選ぶ方が明確に来られている」と語る。

豊富な種類のオーガニック認証の農産物 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
豊富な種類のオーガニック認証の農産物

 品揃えで特筆すべきは、豊富な種類のオーガニック認証の農産物を取り揃え、一般的なスーパーで売られる農産物と大差のない値ごろな価格で販売している点。

 直輸入品・独自調達品も多く取り揃える。

 この中で、イタリアNo.1シェアのオーガニック植物性ミルクブランド「イソラビオ」が21種類の豊富なラインアップと値ごろ感で勢いづいている。
 「我々が直輸入して、様々なサプライチェーンの工夫をして相当値ごろにできている。まず『オーツミルク』と『アーモンドミルク』にご支持をいただき、そこから増やせば増やすだけ楽しんでいただき伸びている。味のバリエーションもあり、例えばオーツ麦の香りが苦手な方にもバリエーションで着実にご支持が高まっていると感じている」と説明する。

イタリアNo.1シェアのオーガニック植物性ミルクブランド「イソラビオ」と再生紙でできたPOPレール - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
イタリアNo.1シェアのオーガニック植物性ミルクブランド「イソラビオ」と再生紙でできたPOPレール

 強化している商品としては、菓子類やベビーフードを挙げる。
 菓子類は、農産物とともに菓子類を買うオーガニックライトユーザーの消費動向に着目して強化している。

 サステナブルな取り組みでは、12月17日にオープンした「ビオセボン旗の台店」で初の試みとして、棚に値札を入れるPOPレールの素材に再生紙を採用して脱プラスチック化を図っている。

 今後の展開については「まだ店舗数が少ないので新しいことをなるべく水平展開していく。環境対応のお店づくりは、自由が丘店と旗の台店の両方を考えて準備してきた。POPレールは自由が丘店では間伐材を採用し、旗の台店ではそれを再生紙にした。仕切り版も再生紙を採用している。商品面では3月から全店棚替えを順次実施し、旗の台店で最新の形をスタートする。植物性ミルク、ベビーフード、健康食品を強化し、菓子類については従来よりも拡充してスタートを切った」と述べる。

 「ビオセボン」は16年に上陸。店舗数は現在27店舗となっている。