UCCグループは、コロナ禍による来店客数の減少などで苦戦を強いられている飲食店や開業を考えている人たちを対象に、差別化メニューとして世界に1つだけのオリジナルコーヒーを提案している。
業務用サービス事業を展開するUCCコーヒープロフェッショナルとコーヒーの総合的な教育機関であるUCCコーヒーアカデミーが協働し、6月からプロの指南が受けられる無料セミナーを開催している。
セミナーは、UCCコーヒープロフェッショナルが持つ全国90ヵ所の営業拠点を活用。そこでUCCコーヒーアカデミーの専任講師(プロ)とオンラインでつながることで、より多くの人に参加の門戸を広げる。開催数は約半年で60回以上に上る。
セミナーでは、プロと会話しながら業態・立地・抽出方法などを絞り込みオリジナルコーヒーのだいたいの方向性を決めていく。
12月20日取材に応じた専任講師の1人・中井千香子さんは「“どのようにして味の違いを出すのか?”“アラビカ種とロブスタ種の違いは?”“日本料理に合うコーヒーをつくりたい”といったご質問をよく受ける」と振り返る。
オリジナルコーヒーの最終決定は「FOB(Fresh Order Blend)」と称するUCC独自のブレンドシミュレーションを使って行う。
FOBは11種類のシングルオリジンからブレンド内容を自由にカスタマイズできるオリジナルブレンドシステムで、テイストとアロマを選んで味覚ポジションを決定する。
テイストは、ライト・ストロングを縦軸、苦味(強)・酸味(強)を横軸とした表の中から選び、アロマはハーブ・花(ローズ)・アプリコット・メープル・トースト・ほうじ茶・マロンorアーモンドの7種類の中から選択する。
両方を選択して決定ボタンを押すと。A豆20%・B豆10%・C豆50%・D豆20%といった具合に瞬時に配合が表示される。
「ブレンドされるのは2~5種類で数が多くなると味がボヤける傾向にある」という。
表示された配合をもとに、UCCコーヒープロフェッショナルの社員がブレンド・粉砕・抽出を行い受講者がテイスティングする。味わいを変更したい場合は、再び味覚ポジションを決定するところからやり直す。
オリジナルコーヒーが決まり、これを受講者が採用する場合は6kg単位(1kg×6袋)で販売される。発注すると工場から製造1週間以内のコーヒーが届くシステムとなっている。豆は、特長を最大限に引き出すため生産地別に単品焙煎される。
UCCではFOBに留まらず多彩な販促支援を用意している。
UCCコーヒープロフェッショナルの村尾香織販売企画本部課長は「無料セミナーは1時間と限られており、その後も個別のご相談に応じさせていただいている」と語る。