東洋ライスはこのほど、大阪府泉大津市(南出賢一市長)と包括連携協定を締結した。23年4月から、「泉大津市マタニティ応援プロジェクト」と「給食で使用する米の保管・精米・流通の新たな仕組みづくりに向けた実証実験」を開始するもので、それぞれに同社の「金芽米」を提供する。
マタニティ応援プロジェクトは、妊娠届提出時にすべての妊婦に金芽米2㎏を提供し、さらに、プロジェクト参加者に対して金芽米最大10㎏を出産月まで毎月送付する。年間300人程度で7~8か月の利用を見込み、妊婦検診などの健康データやアンケートによって健康効果の検証も行う。出産を控えた家庭への支援と市民の健康増進を図る。金芽米の年間使用量は最大約25t(精米ベース)を想定しており、費用は東洋ライスが全額負担する。
給食に関しては、連携する生産者から泉大津市が購入した有機JAS米・特別栽培米などの玄米を、東洋ライスが金芽米に精米加工。就学前施設や小学校向けの炊飯工場、中学校向けの給食センターへ納める。食糧の安定確保と、不測の事態に対応できる独自のサプライチェーン構築を目指すもの。使用量は77tを想定、費用は2者で分割する。
東洋ライスの雜賀慶二社長は「われわれがかねてから望んできた社会奉仕ができることとなり、心から感謝している」、南出市長は「東洋ライスさんと志が一致した。医療費を削減し農業を救うモデルケースにしたい」と述べた。