森永乳業が牛乳など1000セット配布 大貫社長自ら声掛け

森永乳業は森永製菓協力のもと9日、本社のある森永プラザ敷地内(東京都港区芝)にて牛乳など1千セットを配布した。農林水産省とJミルクが主導し両社が参加する「牛乳でスマイルプロジェクト」の一環で、大貫陽一社長自ら提案したという。

当日は赤いジャンパー姿の大貫社長と森永乳業の社員約30人が通行人らに配布。肌寒くも晴天に恵まれ、午前中2回の配布は早々に終了。昼の配布では大貫社長から「常温でも大丈夫ですよ」と手渡された人たちが、商品をもらってうれしそうな表情をみせていた。

配布したのは「森永牛乳200㎖」(常温保存・ロングライフ)2本、牛乳の豊富な栄養素やホットミルクのリラックス効果を記載したリーフレットと、森永製菓「カカオの力(ハイビターココア)」。

大貫社長は配布後の取材で、「冬場になると牛乳の消費が落ち込む。タンパク質やカルシウムが豊富な牛乳をみなさんにぜひ飲んでほしいという思いでお配りした」と経緯を説明した。さらに、「寒い中でなかなか取っていただけないのではと思ったが、天候が良かったこともあり、よく取っていただけた」と語った。

11月の消費が想定よりも良かった点については「価格改定が浸透しきっていないこともあるが、暖かかったのが大きい。12月は本当に寒くなった。ここからよく見ておかないと、本当に大丈夫かというのがある」とし、処理不可能乳が不安視される年末に向けては、「当社は北海道だけでなく本州にも乳製品の工場を持っている。牛乳だけでなくヨーグルト、チーズを海外産から国産に置き換えたり、販売エリアを拡大するなどして消費を喚起していきたい」と意気込んだ。「短期的には需給緩和の問題があるが、中長期的やグローバルな視点でみると、生乳は絶対に足りなくなってくる。日本は食料自給率が低く、生産基盤を棄損することは非常に問題。あとで足りなくなっても取り返しがつかない」と述べ、改めて安定した国内生産基盤を保つことの重要性を示した。

配布中は常温保存ができることに驚く人が多かったといい、「スーパーでは冷蔵して売られているところもあり、全然伝わっていないのではないかと思う。常温で置けるし日持ちするので、災害の時の備蓄にすることもできる」(大貫社長)。学校給食がなくなり寒さも本格化する冬本番に向けて、ホットミルクやチーズの温かなレシピ提案などで積極的に消費喚起する。

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