「多彩な切り口で価値伝達を」 日本冷凍食品協会 大櫛会長

日本冷凍食品協会の大櫛顕也会長(ニチレイ社長)は、このほど開催の年末記者会見で、「原材料高・エネルギーコスト上昇・円安のトリプルパンチで先行きは楽観視できないが、冷凍食品の需要が大きく落ち込むことはないと考えている。あらゆる生活必需品の価格が上がっている中で、引き続き冷凍食品を選んでいただけるように、美味しさ・簡便性・時短・フードロス・栄養・エシカルなど多彩な切り口で広く価値を伝えていきたい」などと語った。

22年度の市場動向は「家庭用はコロナ特需がなくなったものの堅調に推移、新規・既存ユーザーのリピートに支えられている。業務用をみると、外食は居酒屋を除く業態がコロナ禍以前に戻りつつあり、旅行などの動きも活発化してきた。老健施設向けの伸びや産業給食の回復もプラス要因。2022年1~12月の国内生産高は161~163万t、101%と若干前年を上回る見込み」。

一方、「業界の新たな動きとしては自動販売機による販売や百貨店における高級冷凍食品の展開が挙げられ、市場拡大に貢献している」とした上で、「ただし総菜半製品の冷凍など様々な形態で流通しているため、品質リスクを懸念している。協会としては、主に広報活動を通じ、(認定工場の製品に付与できる)認定証マークをしっかり価値訴求していきたい」との考えも付け加えた。

また、今年6月に一般社団法人となったフローズンエコノミー協会については「冷凍食品の正しい認知の拡大やフードロス削減などに関わる啓蒙活動はわれわれの考えとも共通する。これらで一緒に協力できることがあれば取り組んでいきたい」などと話した。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)