食用油・調味料ギフト 実用性の高さに再評価 値上げでお得感アップ

商戦終盤を迎えている歳暮ギフト。中元・歳暮市場が縮小傾向にある中で、今シーズンの食品ギフトでは実用性の高さが支持されている食用油・調味料ギフトの出足が好調だ。原料価格高騰に伴う家庭用食用油の値上がりが進む中で、ギフト製品の相対的価値が高まっており、直近の中元期では「食用油ギフトは前年比1割増」と伸長。健康志向に加え、必需品である食用油ギフトの使い勝手の良さが見直され、「もらって嬉しいギフト」として再評価されている。

ギフト製品もコスト上昇の影響を受けているが、もともと付加価値品のウエートが高いこともあり、大幅な価格変更は行われていない。日々の調理に欠かせない食用油や調味料がセットになったギフト製品の満足度は高く、今シーズンは従来のプレミアムオイルだけでなく、生活防衛意識を受けてセット内容を増強し、普段使いのクッキングオイルを強化する動きもある。

こうした中で、歳暮期のメーカー各社のラインアップでは、オリーブオイルや健康オイル、こめ油、クッキングオイルを主軸に多様なニーズに対応したセット内容をアピール。オリーブオイルは健康性に加え、風味やおいしさの面でも食卓を華やかに演出できることから、ギフトシーンでの取り扱いが定着。ヘルシーでもらってうれしい特別感のあるオイルとして、中元・歳暮だけでなく、母の日などのお祝い事や友人への手土産などパーソナルギフトとしての展開も広がっている。オリーブオイルのほかにも、アマニ油・えごま油などの健康オイルも人気アイテムだ。

クッキングオイルでは、こめ油が注目。家庭用こめ油はこの5年間で市場規模が約2倍に拡大。素材の味を引き立てるおいしさと健康性が支持され、家庭用食用油のプレミアムオイルとして定着が進んでいる。

中高年層を中心にこめ油のファンは広がっており、大手メーカー各社がこめ油ギフトのラインアップを拡充。オリーブオイルに続く、新たなカテゴリーとしてギフトシーンでの展開が広がっている。

普段使いのクッキングオイルでは、日清オイリオグループは家庭用市場の単品トップに育った「日清ヘルシーオフ」をギフト製品のラインアップに組み込んだほか、昭和産業は「オレインリッチ」「健康こめ油」「ヘルシープレミア」など家庭用の主力製品群をギフト製品として展開する動きも目立っている。

チャネル展開では主戦場である百貨店・量販店・ギフト専門店ルートのほか、EC向けが伸長。動画コンテンツなどを活用した提案活動にも力が入っており、中元・歳暮だけでなく通年ギフトの取り組みも広がっている。

今シーズンの歳暮商戦は、相次ぐ値上げによる生活者の節約志向を反映し、流通側も実用性の高い定番商品を強化する傾向がみられる。実用性の高さと健康感、特別感を兼ね備え、日々の生活に欠かすことのできない食用油・調味料ギフトは活性化が期待されている。

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