東レ、日東製網、マルハニチロのグループ会社である大洋エーアンドエフ(大洋AF)の3社は、循環型社会の実現と海洋プラスチック問題の解決に貢献するため、業界初となる「漁網to漁網リサイクル」のシステム構築に協働で取り組む。試験操業を経て、2023年4月からの社会実装化(販売開始)を目指す。
東レが漁網製造時に発生する端材やくずを原料の一部に使用したナイロン原糸を開発し、日東製網がその原糸を用いて漁網を製造、太洋AFが運航する漁船に導入していく。
漁網を回収・再資源化してアパレルなどに使用する事例は見られるが、「漁網to漁網リサイクル」のシステムは世界的にもまだ主だった前例がないという。大洋AFによる試験操業は、22年10月から海外まき網漁船「Taiyo Waab」が中西部太平洋で、23年1月から沖合まき網船団「第二十一たいよう丸」が北部太平洋で実施予定。画期的な漁網の市場適合性や妥当性の確認など、社会実装化に向けた検証を行う。
東レは「製品製造時に発生する工程くずを循環資源として利活用することで、お客様のゼロエミッションに貢献できる」、日東製網は「今後は漁業に使用される前のプレコンシューマ材料(工程くずなど)だけでなく、漁業で使用された後のポストコンシューマ材料(使用済み製品など)まで回収材料の適用範囲を広げたい」、大洋AFは「マルハニチログループはサステナビリティ戦略の中で容器包装プラスチック使用率30%以上削減や漁具管理ガイドラインの策定とグループ内運用率100%を目標としている。グループ全体で『環境価値の創造』に取り組む」などとコメントしている。