外食回復と課題

大阪の繁華街を訪れた。観光客や地元の若者だろうと思われる人々がお好み焼き店、串カツ店など各店で行列をなしている。外食産業回復の一端を垣間見た気がした。

▼日本フードサービス協会が11月25日に公表した10月度は、業態によって差異はあるものの、19年比で105.5%と初めてコロナ以前を上回った。

▼ただ、問題もある。人手の確保だ。以前からついてまわる課題だが、卸業では今年は違う意味合いもある。4月以降、一気に回復したことで急に業務負荷が増えた。コロナ前を知っている従業員はほぼ問題ないが、昨年入社の従業員は業務が多大に増えたと錯覚して辞めてしまうという。欠員が出ると他のスタッフにしわ寄せがくる。コロナの濃厚接触者自宅待機もある。現在、各卸はデジタル改革を中心に着々と整え、今後のさらなる回復に備えている。

▼消費者は外食によりおいしさと楽しさを享受できる。その裏には、卸、メーカー、外食店の一般消費者には見えない努力がある。値上げの事実だけではなく、各社の取り組みが少しでも伝わればよいと思う。